EAIを導入支援する開発パートナー選びのポイント

「EAI」というIT用語をご存知でしょうか?企業・団体が導入している各種システム間でプロセス・データを連携させるための仕組みをいいます。

「EAI」はデータをつなぐ「HUB(ハブとは集線装置です。受け取った信号を他のデバイスに発信する中継機器です。)」の役割を担います。

必要なデータだけを連携する仕組みです。

企業・団体は、事業部・部署・部門ごとに多様なデータを取り扱います。

1990年代終盤ころに、企業・団体の業務システム・業務アプリケーションが事業部・部署・部門ごとに個々に適したツールを導入したことで、業務システム・業務アプリケーションの連携ができず、データの把握ができないという課題が浮上してきました。

その結果、業務別システムを導入したことでデータが散乱し、他の業務システムを再入力することが求められるようになりました。

再入力を回避するため、一度CSVファイルに出力して加工後に、他システムへ移入する操作が必要でした。

入出力は操作員の手作業になるので、同期がとれた完全連携している保障はありません。

上記の煩雑な操作やデータの一元化を実現させるためにツールが開発されました。

そのツールが「EAI」です。

日本語で「企業内アプリケーションを統合ツール」といいます。

企業・団体内の事業部・部署・部門ごとに業務システムが導入され運用しています。

その業務システム数のデータ形式・データ様式があるのです。

各業務システムと多様なデータの連携させるツールが「EAI」です。

これから「EAI」の紹介とメリットを紹介していきます。

 

 

1.EAIとは何か?

「EAI」の英語表記はEnterprise Application Integrationです。

頭文字3文字から「EAI」と呼称されています。

「EAI」は、企業内の各種の業務アプリケーションを統合するためのツールのことを示します。

たとえば、経理部は「○〇会計システム」、営業部は「△△顧客管理システム」「□□売上管理システム」、物流部は「●●在庫管理システム」「◎◎配車システム」等のように、事業部・部署・部門ごとに業務システムを導入しています。

顧客名「AAさん」の情報を見てみると、営業部の「△△顧客管理システム」の顧客番号「000111」になっています。

同じ「AAさん」は、物理部の「◎◎配車システム」の顧客番号「AB0987」と一元化されていません。

業務システムごとに異なる形式のデータを扱うことに至ったのです。

上記の通りではデータの連携ができず、事業部・部署・部門で完結したデータなのです。

営業部・物流部が整理した顧客情報の資産を全社で活用できません。

営業部の「△△顧客管理システム」から出力された顧客一覧表を見て、物流部の「◎◎配車システム」へ再入力するような非効率な作業をしているのです。

しかし、「EAI」ツールの利活用によって、事業部・部署・部門で導入している業務システムのデータを連携できるようになりました。

各業務システムをまとめるデータの送受信で作業の効率化が図れます。

クローズしたデータが全社で利活用することで、課題・改善点が見出すことができます。

企業・団体の業務システムを強化する効果も期待できます。

 

 

2.EAIと似たツール「ETL」とは何か? EAIとの違い

「EAI」の紹介をしていますが、「EAI」と似たツール「ETL」が流通しています。

「EAI」との違いを紹介していきます。

「ETL」の英語表記はExtract, Transform and Loadです。

頭文字3文字から「ETL」と呼称されています。

「ETL」は呼称の通りに「データ抽出(Extract)」「データ変換(Transform)」「データロード(Load)」をすることです。

複数の業務システムから抽出(Extract)したデータを集約・変換・分析するためのツールです。

そのデータをデータベースに蓄積(Load)するまでの工程を担います。

「EAI」「ETL」はどちらも個別の業務システム間でデータを連携させるツールです。

呼称が似ているため、どちらがどのような利点があるか比較されます。

「EAI」「ETL」には得意・不得意な面があります。

そのため用途・目的別に使い分けることが必要になります。

これから「EAI」「ETL」の相違点を紹介します。

そのため、比較されることが多いですが、用途や目的が異なります。

2つの違いを理解して適切に使い分けましょう。

「EAI」は個別の業務システム間のデータ連携を円滑に行います。

「ETL」は個別の業務システムからデータを集約して分析することです。

詳細は下記のとおりです。

「EAI」はイベント指向での処理を得意とするため、個別の複数システム間のプロセス・データを連携させるという目的と処理のリアルタイム性を求められるツールです。

リアルタイム処理が優先されるので、処理単位は一度に扱うデータ量はできるだけ少ないほうが望ましようです。

在庫管理上の数値変動処理・金額計算等のディテール処理が向いています。

たとえば、受注管理システムで発注数量を入力すると、その発注数量が在庫管理システムへリンケージされ在庫数量を引き落としします。

さらに引き落とした数量は、配車システムへリンケージするような連携処理が「EAI」ツールの得意分野とされています。

「ETL」はバッチ指向での処理を得意とするので、大量データの一括更新処理に向いています。

トランザクションに集積した日次・週次・月次の大量データをルールに従い一括更新処理することが得意です。

たとえば、月末の精算業務・月次請求書締めの等の一括処理を一元化して、大量のデータを一気通貫で処理する用途に適しているようです。

 

 

3.EAIの機能

「EAI」の機能を紹介します。

第1に複数の業務システムを連携させるアダプタ機能があります。

アダプタ機能は、各業務システムの窓口を担います。

アダプタ機能が、業務システム間を連携させるアプリケーションソフトウエアの役割を担います。

アダプタ機能が充実している「EAI」ツールを導入することで、個別の業務システム間連携を速やかに実現できます。

第2にデータ形式に対応するフォーマット変換機能があります。

フォーマット変換機能は、アダプタ機能で接続した個別の業務システム間でデータを共有するため、データ形式を変換する機能です。

個別の業務システム別に採用するプロトコル・データ形式が異なる場合は、アダプタ機能での接続とデータを変換することで連携します。

フォーマット変換・データ変換をする実行時間はご使用のハードウェアに依存します。

ハードウェアのスペックと「EAI」ツールの性能を勘案して、ツールの選定をしましょう。

第3に出力したデータを振り分けるルーティング機能があります。

ルーティング機能とは、フォーマット変換したデータを指定した個別の業務システムへ振り分ける機能です。

導入する目安は、ルーティング機能設定が容易であることです。

設定ために技術者に委託する
のでは「EAI」ツール導入の意味がなくなります。

ルーティング機能設定・定義方法が容易であるツールを選定しましょう。

第4に一連の機能をひとつのシステムとして完成させるワークフロー機能があります。

ワークフロー機能は、一連の個別の業務システム連携をルーティーン化する機能です。

簡単に説明すると、始業時から終業時までの業務をワークフローに定義することです。

そのデータ定義がルーティング機能になります。

業務のワークフローが実現できれば、大きな効率化が図れます。

 

 

4.EAI導入のメリット

「EAI」導入のメリットを紹介します。

第1に個別の業務システム間のデータ連携を効率よく実現できます。

「EAI」ツールのアダプタ機能・フォーマット変換機能は個別の業務システム間連携を容易に実現できます。

「EAIで連携した個別の業務システム間ではデータが更新されると自動で他の業務システムへの同期をとります。

どの個別の業務システムから、最新のデータを参照可能なことで連携を効率よく実現できます。

第2に個別の業務システムをまたいだデータ運用ミスがなくなります。

個別の業務システム間のデータ連携を手作業で行うと、誤入力・誤確認が発生するリスクが高くなります。

誤入力・誤確認が生じたときは、どの業務システムからのデータが原因なのか、どのような経緯で誤入力・誤確認が生じたのかと原因究明をして、正しいプロセス・データに修正する作業が必要です。

「EAI」ツールはフォーマット変換機能によって連携が自動化されます。

そのため、データチェック・複数従業員でのクロスチェック工程が削減され、生産性が向上します。

第3にデータ連携業務の処理速度がアップして効率化が図れます。

「EAI」ツールのアダプタ機能・フォーマット変換機能・ルーティング機能・ワークフロー機能の導入により、個別の業務システム間のデータ連携の自動化・高速化が実現されます。

「EAI」ツール導入により、企業・団体全社の作業効率が向上するので業務改善が図れます。

第4にシステム保守管理の精度が向上します。

「EAI」ツールを導入することで、個別の業務システム間の連携状況が可視化されて正確に把握可能になります。

個別の業務システムの保守管理精度がアップし、保守性がアップするメリットがあります。

 

 

5.EAIを導入支援する開発パートナー選びのポイント

「EAI」は、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。

大手電機メーカー、ITベンダー企業は基幹システムをする部門とは別に「EAI」「ETL」支援サポート部門があります。

現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当やプロマネに相談してみましょう。

大手電機メーカー、ITベンダー企業の「EAI」「ETL」支援サポート部門は、企業・団体の事業部・部署・部門が導入している個別の業務システムのスペックを確認しています。

「EAI」ツールの導入は、基幹システムを導入した開発パートナー企業に委ねましょう。

 

 

まとめ

「EAI」ツールは、運用システムの数が多いほど効果を発揮します。

日々・月次もシステム運用の効率化は重要度の高い課題です。

「EAI」は課題解決に有効なツールといえます。

また、個別の業務システムを全廃して「ERP(統合パッケージ)」導入して、継ぎはぎだらけの業務システムを一元化する方法がありますが、非常に高価な設備投資になるようです。

 

 

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