SONYの電気自動車を導入支援する開発パートナー選びのポイント

SONYグループが自動車づくりに本格的に参入するようです。

複雑な構造のガソリン・ディーゼルエンジンを搭載した自動車から電池を搭載した電気自動車(EV)の時代に移行しようとしています。

複雑な構造のガソリン・ディーゼルエンジン自動車の部品数は30,000点以上あると言われています。

次世代の電気自動車の部品数は、ガソリン・ディーゼルエンジン自動車の部品数の約半分の15,000点で製造できるのです。

SONYは人工知能(AI)・自動運転技術の開発に向けて電気自動車(EV)の試作車を製作して、公道を使って実証実験を進めています。

アメリカ合衆国のIT機器メーカーのApple社やITベンダー企業のGoogle社も電気自動車(EV)製造を開始しているようです。

自動車業界は「100年に一度の変革期」であると言われています。

100年前の乗り物は馬車でした。

100年前に馬車がガソリンエンジン自動車に移行しました。

2030年~2040年にはガソリン・ディーゼルエンジン自動車は、CO2を排出しない電気自動車や水素自動車に移行していきます。

世界各国がCO2を排出するガソリン・ディーゼルエンジン自動車生産をやめて、電気自動車・水素自動車生産に移行する目標年を公表しています。

電気自動車(EV)生産は、既存の自動車メーカー・部品メーカーに限定せずに、電機メーカー・電子部品メーカー・IT機器メーカー・ITベンダー企業・ベンチャー企業が参画して協業と競争が始まっています。

トヨタ自動車やホンダの大手自動車メーカーを頂点としたピラミッド型の産業構造が変革するかもしれません。

アメリカ合衆国はGM・フォード・クライスラーの自動車ビック3以外のベンチャー企業のステラ社が電気自動車を製造・販売しています。

100年続いた業界の勢力図が塗り変わるほどの大きな変革が起きる可能性があります。

アメリカ合衆国では、ビック3のGM・フォード・クライスラー以外のステラ社の台頭、Apple・Googleの参画で勢力図が変化しています。

国内ではトヨタ・日産・ホンダ・三菱・マツダ・スズキ・いすゞ・スバル・ダイハツ・日野・ふそう・UD・川崎重工・ヤマハに加えてSONYが15社目の自動車メーカーになる日は遠くありません。

 

 

1.SONYの電気自動車とは?

SONYブランドの製品は「かっこいい」「おしゃれ」です。

以前に流行ったラジカセ「ウォークマン」、パソコン「VAIO」シリーズは洗練されたデザインの電子機器です。

SNOYブランドの電気自動車が販売させれば「かっこよさそう!」「乗ってみたいです!」との声が上がるでしょう。

昨年の2020年夏にテレビのニュースで、SONYが公開した電気自動車(EV)の「VISION-S」(ビジョンエス)がユーロ圏で公道走行の実証実験をしていることが報道されました。

国内でも近日中に実証実験を開始するようです。

「VISION-S」の試作車は、犬型ロボット「Aibo」(アイボ)を開発したプロジェクトチームが中心に製作されました。

基本図形は上記プロジェクトチームが担当し、基幹モーター・燃料電池は外部から調達しました。

最終組み立てはユーロ圏の企業にアウトソーシングして製作しました。

「VISION-S」の試作車の運転席には、大画面のディスプレーが配置してあり、指先タッチ方式で操作します。

タブレット端末やスマートフォンのように指先でタッチ・タップして操作して起動させる方式です。

SONYの得意分野であるセンサーを30以上搭載してあり、大画面ディスプレー映像で全周囲を確認することができます。

また、高速通信規格「5G」機能を備え、自動で車線変更をする運転支援機能を実装しています。

完全な自動運転が実現すれば、自動車に社内は「動くリビング」化します。

音楽・映像・ゲーム等SONYが有するエンターテインメント・コンテンツを堪能しながら移動ができます。

SONYは電気自動車の試作車「VISION-S」を製作して、ユーロ圏で公道走行の実証実験をしていますが、量産化に踏み切るまで、さらなる完成度アップさせる必要としています。

上記で紹介しました「Aibo」「VAIO」は人命にかかわる製品ではありません。

しかし、電気自動車は人命にかかわる製品です。

「人命にかかわる」ことを最優先課題としているので、製品化・量産化へのシフトが慎重になっているようです。

 

 

2.SONYの電気自動車のキーワードは「CASE」

SONYの電気自動車生産参入のキーワードは「CASE」(ケース)と呼ぶ電気自動車の次世代の技術です。

1980~1990年代に流行した「CASE(Computer Aided Software Engineering)」とは、まったく別の技術です。

「CASE」は「CASE」ツールと言われ、アプリケーションソフトウェアの開発・改修に専用のソフトウェアを利用することです。

1980~1990年代に用いられた技術です。

現在は、ほとんど聞かないIT用語です。

SONYの「CASE」はインターネットと接続するコネクテッド(Connected)・自動運転(Autonomous driving)・シェアリング(Sharing)・電動化(Electrification)の頭文字4文字をとったSONYの独自技術の略称です。

100年前の自動車革命から始まったガソリンエンジンは、燃料であるガソリンを効率的に燃焼させてエンジンを稼動させる精密な技術です。

エンジンを稼動させる技術を有する自動車製造業界へ新規に参入する企業がありませんでした。

前章で紹介しましたが、日本国内では、トヨタ・日産・ホンダ・三菱・マツダ・スズキ・いすゞ・スバル・ダイハツ・日野・ふそう・UD・川崎重工・ヤマハの14社だけです。

しかし、電気自動車(EV)の構造はあまり複雑ではありません。

ガソリン車はエンジンだけで10,000品目・全体で30,000品目の部品が使われています。

電気自動車(EV)は約半分の15,000品目の部品で製造できます。

電動モーター・燃料電池を中心に、多くの部品を組み合わせれば製作できます。

さらに自動運転になると、自動車本体間・自動車と信号機の通信・自動車GPS機器が必要になり、周辺の環境・道路状況・渋滞状況を正確にキャッチできる多くのカメラ・センサーの搭載とAI機能をもつ最新IT機器が欠かせません。

いままで、自動車の製造とは無縁だった電機メーカー・電子部品メーカー、ITベンダー企業・ベンチャー企業は自動車業界への参画の好機なのです。

人々の移動や街づくりにかかわる革新的なビジネス参入に期待されています。

 

 

3.強敵は「脱エンジン」のホンダ、「水素エンジン」もつくるトヨタ

SONYの電気自動車を市場投入したとき、「脱エンジン」の本田技研・「水素エンジン」を製造するトヨタ自動車が強敵相手になります。

本田技研は、4月下旬に世界で販売する新車すべてを2040年までに電気自動車(EV)または燃料電池車(FCV)に移行すると発表しました。

ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)は生産しない「脱エンジン」宣言といえます。

トヨタ自動車は、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の販売を増やしながら、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)も含めた生産・販売方針です。

また、電気エネルギーを使用しないで、二酸化炭素(CO2)を排出しない「水素エンジン車」の開発に取り組み始めています。

ガソリン燃料の燃焼から水素を燃焼させる仕組みは、現在のガソリンエンジンの部品を流用して生産できるようです。

トヨタ自動車のコンセプトは「技術を限定して選択肢を狭くしない」ことです。

「脱ガソリン車」への移行が急速に進むと、下請け企業である中小零細企業のエンジン部品メーカーの経営に影響を与えるための方針といえます。

 

 

4.ケイレツ企業からパートナー企業へ変革

自動車業界は範囲が広く、大手自動車メーカー(トヨタ・日産・ホンダ・三菱・マツダ・スズキ・いすゞ・スバル・ダイハツ・日野・ふそう・UD・川崎重工・ヤマハ)を頂点にしたピラミッド型構造の中間層・配下に部品製造・加工会社があります。

他の下請け企業・孫請け企業・タクシー業界・ガソリンスタンド業界等を含めると、日本国内の全産業の就業者の約10%の550万人が働いています。

特にトヨタ・日産は「ケイレツ(系列)」と称される部品メーカー・下請け企業が強い上下関係を構築しながら産業を支えています。

電気自動車(EV)への移行は、2030年~2040年に到来する自動車産業の大革命による厳しい生き残り時代に遷移します。

前章で紹介しましたが「CASE」に対応できる先進技術を有する自動車部品メーカー・電子部品メーカー・ITベンダー企業は、自動車産業のケイレツ配下を脱して、国際的に事業を拡張する好機がくるのです。

親子関係のピラミッド型から「開発パートナー」に遷移するといわれています。

たとえは、モーター生産の世界最大手企業の「日本電産」は、2030年に電気自動車(EV)用モーターの世界シェア4割を目標にしています。

「日本電産」は世界の電気自動車メーカーとフラットなビジネスパートナーまたは開発パートナーとしての関係をめざしています。

「日本電産」は自動車メーカーの系列に関係なくビジネス展開をするようです。

「日本電産」はケイレツから開発パートナー企業として生き残りを模索しています。

 

 

5.SONYの電気自動車を導入支援する開発パートナー選びのポイント

SONYの電気自動車を導入支援する開発パートナー選びは、SONYの電気自動車「VISION-S」の試作車製作プロジェクトチームにあります。

残念ながら一般には、SONYの電気自動車を導入支援する開発パートナー選択権は、SONYのプロジェクトチームにあります。

開発パートナーになるためには、ITベンダー企業・ITベンチャー企業にチャンスがあります。

クオリティーの高い電気自動車部品やアプリケーションソフトウェアを開発して開発パートナー企業になる可能性はあり得ます。

 

 

まとめ

100年ぶりの自動車産業の大変革の影響は幅広い業界におよびます。

旧態依然とした経営戦略では生き残りできません。

また、ITベンダー企業・ベンチャー企業が開発パートナーとして電気自動車(EV)製造の開発パートナーとして参入する好機が到来しています。

 

 

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