クラスタリングサービスを推進する開発パートナー選びのポイント

「クラスタリングサービス」というIT用語を聞いたことがありますでしょうか?「クラスタリングサービス」とは、複数のコンピューター(サーバー機器などのハードウェアを指します。)を結合したシステムのことを示します。

それぞれのコンピューター(ハードウェア)がもつ処理性能を集約して、より高位な性能を発揮することができます。

また、1台のコンピューターに何らかの障害を生じたとき、結合している他のコンピューターで処理を継続することできます。

可用性を高位にするためにクラスタリングの技術が導入されています。

「クラスタリングサービス」は、複数のコンピューターを結合します。

そのための機能を有するアプリケーションソフトウエアや、機能を実装したハードウェア(サーバー)を利用します。

機能を搭載したハードウェア(サーバー)を配置して1つのコンピューターとして扱う仕組みです。

これから、クラスタリングサービスとは何か?目的や種類、メリット・デメリットを紹介していきます。

 

 

1.クラスタリングサービスとは何か?

現在、社会生活でコンピューターシステムが停止すると、大混乱が発生します。

近年はメガバンクのオンラインシステムや鉄道会社の信号トラブルなどが生じると、社会的な問題として取り上げられます。

コンピューターシステムを停止させないように、高速処理を行う技術を「クラスタリング」といいます。

「クラスタリングサービス」は「クラスタリング」の提供者を示します。

「クラスタリング」を構成するハードウェアを「ノード」といいます。

「ノード」とは、複数のハードウェアで構成されたツリー構造配下のハードウェア(要素)のことです。

「クラスタリングサービス」は「ノード」を連結するネットワーク技術です。

たとえば、1つのCPUを搭載した3台のコンピューターを連結した「クラスタリング」環境下では、3つのCPUを搭載した1台のコンピューターとして利用できます。

 

 

2.クラスタリングサービスの目的

「クラスタリングサービス」の目的を紹介します。

第1に拡張性(スケーラビリティー)です。

接続するサーバー台数を増やすことで、負荷分散を実現させて、システム全体の性能向上を図ることです。

第2に高可用性(アベイラビリティー)です。

1台のサーバー機器に障害が生じて停止したとき、結合している他のサーバーが処理を継続します。

システムを停止させずにサービスを提供し続けることができます。

 

 

3.クラスタリングサービスの種類

「クラスタリングサービス」の種類を紹介します。

第1に「HPCクラスタリング」を紹介します。

「HPCクラスタリング」のHPCとは、High Performance Computingの略称です。

HPCを日本語で表すと、高い計算能力を目的として構築されたクラスタシステムことを指します。

とたえば、スーパーコンピューターをイメージしてみましょう。

報道番組などで話題になる「京」「富岳」などが該当します。

スーパーコンピューターの役割は、シミュレーションなどで必要になる大量の演算を多数のノードで並列実行します。

1台のコンピューターで実現できない高位な演算能力を発揮します。

2019年末に新型コロナウイルス感染症が世界中に広がりました。

飛沫感染が大きな因子といわれています。

不織布マスクを着用したとき・未着用のときの飛沫飛散シミュレーションの映像が報道されていました。

そのシミュレーションは「富岳」が実行しました。

第2に「HAクラスタリング」を紹介します。

「HAクラスタリング」のHAはHigh Availabilityの略称です。

HAを日本語で表すと、高可用性を目的として構築されたクラスタシステムことを指します。

「クラスタリング」を構成するノードを稼働系と待機系の2系統に分割しておきます。

稼働系に障害が生じたときは、待機系に機能・処理を引き継ぎます。

稼働系はアクティブ系、待機系をスタンバイ系や、「Active-Standby型」と称される技法です。

さらに「HAクラスタリング」は、データ保管方式によって「共有ディスクタイプ」「データーミラータイプ」に2分されます。

「共有ディスクタイプ」の特徴は、稼働系・待機系が共通のハードディスク領域にアクセスする方式です。

稼働系のハードディスクに障害が生じたとき、共有ハードディスクに破損状況を確認して、必要に応じた修復をします。

障害を生じた稼働系のハードディスクを待機系のハードディスクにデータを引き継ぎます。

「共有ディスクタイプ」は大量のデータを扱う業務(ファイルサーバー・ビッグデータサーバーなど)に向いている方法です。

投資コストが高額になる傾向がある仕組みです。

「データーミラータイプ」の特徴は、安価な投資コストで構築できることです。

稼働系・待機系がそれぞれのハードディスク領域を使用します。

記録内容に矛盾がないよう、稼働系・待機系のハードディスクは常に同期させる仕組みです。

「HAクラスタリング」の個々のノードの設置場所を検討する必要があります。

待機系の仕組みは稼働系に障害を生じたとき、業務・データを引き継ぎます。

たとえば、災害により稼働系は被災した時、待機系は遠隔地に設置させることを検討します。

稼働系・待機系が同一の建造物にあると待機系を用意するリスク分散する意味がなくなります。

第3に「負荷分散クラスタリング」を紹介します。

「負荷分散クラスタリング」は可用性プラスパフォーマンスが向上できる技法です。

サービスに必要な処理を細分化して実行する仕組みです。

「HAクラスタリング」と異なり、個々のノードを稼働系にします。

そのため「Active-Active型」と称されることがあります。

あるノードの障害が生じたときは、他のノードにタスクを割り当てる仕組みで、システム全体を稼働させた状態で保守します。

「負荷分散クラスタリング」は、分散の形態別に「ロードバランスクラスタ」「並列データベースクラスタ」に2分されます。

「ロードバランスクラスタ」は、それぞれのタスクを実行するノードをロードバランサー機能が選定する技法です。

スループットをアップさせるときに導入されます。

「並列データベースクラスタ」は複数のデータベースサーバーを接続して、可用性・パフォーマンスアップをアップさせる技法です。

1つのデータベースを、並列したデータベースエンジン(DBMS)によって負荷を分散させる技法です。

 

 

4.クラスタリングサービスのメリット

「クラスタリングサービス」のメリットを紹介します。

①複数のサーバーを1台のサーバーとしてサービス提供されるため、利便性が向上します。

②サーバー負荷を監視して、ノードの切り替え条件を設定できることです。

③2台のノードでクラスタリングを構成できます。

安価にシステムを構築できることです。

④サーバー台数を増設できるので、システム全体の処理性能を向上させることができます。

 

 

5.クラスタリングサービスのデメリット

「クラスタリングサービス」のデメリットを紹介します。

①システム全体を1つのコンピューターとして扱うので、提供する範囲が限定されます。

②メールサーバー・ファイルサーバー等のメッセージやデータを保管・蓄積するサーバーは、障害を生じたとき自動的にノードの切り替えができません。

障害を生じたサーバーから待機系サーバーにデータを移行する仕組みを準備する必要があります。

③サーバー負荷を分散する監視してノード切り替えする機器が必要になります。

構造化したシステムが複雑になり、構築コストが高額に至るケースがあります。

④サーバー負荷分散装置は、切り替え要求と分散と監視を同時に行います。

そのため、複雑な監視形態に至るケースがあります。

場合によっては非現実的な機能といえます。

 

 

6.クラスタリングサービスを推進する開発パートナー選びのポイント

「クラスタリングサービス」導入は、企業・団体が導入している基幹システムとの連携とオフラインで導入しているサブシステムとの連携が必要になります。

企業・団体が導入しているシステムを「クラスタリング」する必要性の検討、導入する範囲を明確にすることが大切です。

全てを「クラスタリング」化にするには多額な初期投資が必要になります。

費用対効果を見極めて、導入の検討をしましょう。

また、他社の導入事例を参考にしましょう。

「クラスタリングサービス」導入については、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。

大手電機メーカー、ITベンダー企業は基幹システムをする部門とは別に「クラスタリング」支援サポート部門があります。

現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当やプロジェクト・マネージャーに相談してみましょう。

 

 

まとめ

ハードウェア・アプリケーションソフトウェアの障害は予告なしに生じます。

障害が発生すると一部または全システムが停止しまい、大混乱に陥ります。

お客先様へ影響を与えると社会的に信用・信頼が低下することを意識しましょう。

「クラスタリングサービス」は、この課題を解決する技法です。

 

 

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