USB-IFを推進する開発パートナー選びのポイント

「USB―IF」というIT用語を聞いたことがありますでしょうか?

「USB-IF」は、USBインプリメンターズ・フォーラム(英語表記:USB Implementers Forum)といい、ユニバーサル・シリアル・バス(コンピュータなどの情報機器に周辺機器を接続するためのシリアルバス規格をいいます。)の促進を目的として創設された非営利団体のことです。

団体の事業は「USB」「Wireless USB」「USB On-The-Go」の促進と、USB規格の仕様策定を担います。

「USB-IF」は1995年に設立され、2021年現在、アメリカ合衆国のヒューレット・パッカード社、マイクロソフト社、Apple社、インテル社や日本ではNECが加盟している企業組合です。

「USB-IF」は新しい端子の規格である「USB Type-C」を2014年に公表しました。

「USB Type-C」は、最大100ワットまでの電源を供給する「USB Power Delivery」機能と、パソコン・タブレット端末のUSB端子に接続した情報機器間を10Gbpsのデータ転送に対応しています。

「USB」端子と「USB」情報機器は、パソコン・タブレット端末間接続に限定されていません。接続範囲が広域になり、デジタル家庭用電気機器やスマートフォンと接続する規格として世界中に普及しています。

 

 

1.USBとは何か?

IT機器を使用していると「USB」というIT用語をよく耳にします。

「USB」とは、ユニバーサル・シリアル・バス(英語表記:Universal Serial Bus)の頭文字3文字で構成される用語です。

ユニバーサル・シリアル・バスは、情報機器・周辺機器等とパソコン・タブレット端末を接続するための規格です。

「USB」規格が普及する前は、パソコンとキーボードを接続するときは「PS/2」規格、外付けストレージ(磁気ディスク装置)を接続するときは「SCSI」規格が必要でした。

周辺機器によって個別の接続する端子が必要でした。しかし、「USB」規格の登場で情報機器・周辺機器の接続端子が統一できるようになりました。

「USB」規格の仕様策定、仕様統一化する非営利団体が「USB-IF」になります。

「USB-IF」は製品・商品・端子ではありません。

「USB」規格を策定・認証する団体のことです。

「USB-IF」が推奨するスペックは「USB Type-C」といわれています。

「USB」の紹介に戻ります。

「USB」の特徴のひとつに、情報機器・周辺機器を稼動させるための電源をパソコンから供給することです。

大きな電力を必要とする情報機器・周辺機器は「USB給電」では電力不足が生じるので、「USB給電」ではなくACアダプターからの通常給電をするよう電源プラグが付いています。

「USB給電」は、必要な電力量が少ないポータブルHDD/SSDやUSBメモリ等で多く利用されています。

「USB」装置は、パソコン・タブレット端末と接続している情報機器・周辺機器間のデータの送受信中でなければ、パソコンの電源を入れている途中でも、ケーブルを抜き差しできる「ホットプラグ」機能があります。

パソコン本体のUSB端子差し込み口が足りない場合は、USBハブを利用すれば複数の機器を接続できます。

USB端子のタコ足配線をするのです。

2021年時点で、パソコンと情報機器・周辺機器間をケーブル接続する規格は、「USB規格」に統一されています。

 

 

2.USBの機器間の転送速度

「USB」は、規格により転送速度が異なります。

最初にリリースされた「USB」は「USB1.0」でした。

1998年に「USB1.1」がリリースされて、世界中に認知されるようになりました。

「USB1.1」の転送速度は12Mbpsでした。

その後、2000年4月にリリースした「USB2.0」は、転送速度が480Mbpsに機能アップしました。

「USB1.1」の約40倍になりました。

さらに2008年11月にリリースした「USB3.0」の転送速度は5Gbpsに機能アップされました。

「USB2.0」の約10倍になりました。

2017年9月には「USB3.2」がリリースされました。

転送速度は20Gbpsと「USB2.0」の約4倍に機能アップしました。
「USB」が優れているところは、「USB1.0」~「USB3.2」の転送速度の規格でも互換性があるところです。

ただし、パソコンに搭載されている「USB端子」の規格に対応した転送速度になります。

たとえば、「USB1.1」対応のパソコンで、最新の「USB3.2」規格のケーブルを接続したときは、「USB1.1」規格の12Mbpsの転送速度になります。

 

 

3.USB Type-C

「USB Type-C」は、2015年にアメリカ合衆国Apple社から「MacBook」が新発売されたときに搭載されました。

それまでのApple社製「MacBook Air」「MacBook Pro」に搭載されていた「USB Type-Aポート」「MagSafe」「Thunderboltポート」は排除されました。

「USB Type-C」規格の「USB」は、いままで流通していた「USB」規格と比べて優れているのです。

Apple社製の「MacBook」発売事例により、「USB Type-C」が優れた規格であることを明確にしています。

1つの端子の汎用性が上がったことです。

その汎用性とは、パソコン・タブレット端末と情報機器・周辺機器間のデータ転送速度と給電機能を考慮した規格で利便性が高位であることとされています。

「USB Type-C」の接続ケーブルは「USB2.0」~「USB3.2」をサポートしています。

また、複数の充電ワット数に対応しています。

さらに「Thunderbolt」をサポートする端子もあり、「Thunderbolt」対応ケーブルでもアクティブ(活性中)あるいはパッシブ(非活性)になります。

従来の「USB」端子は入力が使途である「Type-A」と出力使途である「Type-B」と分けられるのが一般的でした。

「USB Type-C」は入出力どちらの使途に対応していることが大きな特徴です。

「USB-IF」は、「USB-Type-C」端子をノートパソコン・タブレット端末・スマートフォン・ディスプレイ機器、充電器機器までの消費者向け電子機器の拡大し続けるエコシステムを支えている規格として認定しています。

「USB-Type-C」ケーブルは、今後「USB4」性能と「USBパワーデリバリー機能」を利用者が容易に利活用できるよう改善されていきます。

 

 

4.USB Type-C(タイプC、USBC)のメリット

「USB Type-C」(別呼称:タイプC/USBC)のメリットを紹介します。

第1に転送速度が「USB 3.0」の約2倍に機能アップしています。

現在流通している「USB」の高速転送といわれている規格「USB 3.0」の最大のデータ転送速度が5Gbpsです。

「USB-Type-C」は「USB 3.1」規格に準拠していて最大データ転送速度が10Gbpsと2倍の転送速度に機能アップしています。

効率的なテータ送受信が実現可能になりました。

第2に挿入向きの区別がないことです。

従来の「USB Type-A」「USB Type-B」は挿入の向き(上向き/下向き)があり、使途によって挿し込む向きを確認する必要がありました。

前章で紹介しましたが「USB Type-C」使途による挿入向き(上向き/下向き)の区別が無いことが利便性をアップさせています。

「USB Type-C」は挿入向きを確認しないで利用できるのでストレスレスです。

第3に過去のUSBポートにも互換性があることです。

「USB Type-C」は新規格です。

過去のUSB端子との互換性があります。

1本のUSBケーブルで全ての端子に対応できます。

第4に給電機能から映像出力までケーブル1本で対応可能であることです。

いままでのUSB端子は、当該のUSBに準拠したデータ送受信に制限がありました。

しかし「USB Type-C」は「オルタネートモード(どんな通信でも流して良い)」という機能があります。

「HDMI」「Thunderbolt」「DisplayPort」端子として利活用できます。

給電機能・映像出力を1つのケーブルで完結することが実現できます。

第5にパソコン・タブレット端末と情報機器・周辺機器の両方に対応しています。

従来のUSB端子は、パソコン・タブレット端末側の機器に接続するのはAコネクタ、情報機器・周辺機器側の機器に接続するのはBコネクタという決まりがありました。

しかし「USB Type-C」は、パソコン・タブレット端末と情報機器・周辺機器側の両方に対応しているため、それぞれの専用ケーブルが不要になりました。

 

 

5.USB Type-C(タイプC、USBC)のデメリット

「USB Type-C」(別呼称:タイプC/USBC)のデメリットを紹介します。

最新の規格なので、対応機器が少ないことがデメリットといえます。

現状ではApple社の「MacBook」やDell社の「XPS」といったパソコン、Asus・HTCの一部のスマートフォンが搭載しています。

今後、普及することを期待しましょう。

 

 

6.USB-IFを推進する開発パートナー選びのポイント

「USB-IF」は「USB Type-C」規格を推進しています。

新しい規格の「USB」なので国産のパソコンメーカーは搭載されていません。

前章で紹介しましたが、アメリカ合衆国のApple社、Dell社製品が搭載しています。

国内のパソコンメーカーも新製品から順次「USB Type-C」を搭載予定といわれています。

開発パートナー選びというより、「USB Type-C」搭載のパソコン・タブレット端末の普及を期待していましょう。

 

 

まとめ

現時点で「USB Type-C」を搭載した機器は限定されています。

今後、リニューアルされる製品・新発売される製品(パソコン・タブレット端末・スマートフォンなど)に搭載されていきます。

従来は、情報機器・周辺機器ごとに接続端子がバラバラでした。

「USB Type-C」は前記の問題点・課題を一気に解決してくれます。

普及を期待していましょう。

 

 

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