SESパートナー選びのポイント

今回はSESと呼ばれる開発パートナー選びについて記載していきます。

SES(システムエンジニアリングサービス)はシステムの開発や保守などで委任系の契約でお仕事をお願いする場合に呼ばれる総称です。

実際には契約形態は様々なのですが、エンジニアが足りない場合や単発なので工数不足ではよく用いられている方式ですのでシステム開発の現場では非常に多く用いられています。

 

そもそもSESについて

SESと言っても幅は非常に大きくあります。

営業を専門にしていて技術者がいない会社もあります。

その場合は技術者のいる会社から技術者を「出して」もらうので商流に入るだけとなります。

こう言った多重偽装派遣(いわゆる中抜き)が横行しているのでSES自体に非常に悪い印象を持っている方も多いと思います。

ただ、開発の現場では工数が足りないのは世の常でプロジェクト単位で足りないエンジニアを探すとなるとどうしても経験のあるエンジニアをこう言った方法で探す必要が出てきます。

例えば半年の開発プロジェクトでエンジニアを新人から育成してプロジェクトを完了し、プロジェクトが終わった後のその新人の算段は立たないという状況は作れないはずです。

そのような際にSESでの契約というのはとても大事な役割になります。

上記の例は少し大袈裟ですが、例えばある程度の人数の自社開発エンジニアがいたとしても、開発ボリュームが大きい時には開発やテストなどの工数の調整はどうしても必要になります。

それが例えば大規模な受託プロジェクトとなると開発プロジェクトそのものがかなりの割合の外部のエンジニアになりますのでSESのエンジニアで回っているなどは通常に起こり得ることとなります。

SESを実施していても、いわゆる「プロ」のエンジニアの方も多く見かけますので、そういった方との繋がりのある会社ではSESは必須のものと言えます。

 

SESで大事なのは契約形態

ここでSESと言っても何を持ってというところもありますが、大事なのは契約形態になります。

SESでは「準委任契約」と呼ばれる工数(労働力)ベースでの契約を結びます。
品質や納品責任は発注元にあり、その代わり指揮系統などは発注先にある形の契約での仕事を行うこととなります。

「派遣契約」との大きな違いは指揮系統が発注先にあるか発注元にあるかとなります。
派遣契約では指揮系統が発注元になるため、派遣をする人材派遣会社では労働者の不利にならないようにある程度の規模の資本金や派遣元責任者の資格などが派遣をする上で必要になります。

また、品質や納品物の責任を持つ「請負契約」ではそもそも納品物に対して責任を持つため「準委任契約」のように工数などでは責任を持つ必要がありません。
契約で定めた納品物に対して発注元が100人月で想定していたとしても1人月で納品物を作れて収めることができれば問題はありません。
また、納品後も一定期間の瑕疵担保責任が発生します。

ちなみに「委任契約」は法律行為を委任する契約(エージェント)で「準委任契約」は事実行為(業務)を委託する契約です。
システム開発の現場では「委任契約」は行われないでしょう。

「業務委託」と呼ばれているのは上記の「請負契約」「委任契約」「準委任契約」を総称する言葉です。

ただ、現場では(特にエンジニアは)区別せずにこれらを「業務委託」として受けているケースも多く、契約書も「業務委託契約」などとなっていることが多いです。

ただ、法律上存在する言葉ではなく実務上の用語として用いられています。

 

SESは悪か

さて、その「準委任契約」ですが「指揮系統などは発注先にある」と記載したものの指揮系統が発注元にあるケースもとても多いです。

また、実際にはA社がB社に発注し、B社がC社に発注し、C社がD社に発注しという、A社にくるのはD社のエンジニアなのに契約では複数の中抜き企業が存在するケースもあります。

このいわゆる「偽装派遣・多重派遣」がSESのイメージをとても悪いものにしています。

上記のB社、C社でも営業をするという工数が発生しますので存在は必要ではあるのですが、そもそも仕事が始まればいらない会社ですし、A社とD社の直契約であれば様々な齟齬も減りますので、基本的には契約単価も上がり利益も減るというA社、D社にとっては長期的にはメリットは少ないでしょう。

もちろんB社やC社もプロジェクトの中でメンバーを出していてPMなどはB社メンバーといった場合には全く別の話になります。

そもそもA社がD社を見つけることができれば(プロジェクトがまっとうに進めば)A社、D社にとってのメリットは最大ですしそういった状態であればSESは全く悪いものではありません。

むしろA社はプロフェッショナルを雇うことができ、D社は仕事を得ることができるのでとても良い状態と言えます。

A社(発注元)が要件を適切にまとめて発注先を適切に見つけることができれば、非常に正しい契約の形と言えるでしょう。

ただ、A社がきちんと要件をまとめる場合には「請負契約」となることもあり得るでしょう。

とは言え品質や納品物の定めが特にプロジェクトの初期段階では難しい場合なども多くあります。

その場合などは「準委任契約」となるSESは非常に有効な手段と言えます

 

 

SESをしてくれるパートナー企業の探し方

さて、色々記載しましたがSESをしてくれるベストなパートナー探しというのはとても難しくなります。

業務や言語の要件などによって、開発会社の得手・不得手がありますし、そもそも発注元は紹介されたスタッフがその会社の所属なのかもわからないことも多いです。

長期のプロジェクトになるようであればパートナー候補の会社の得意な領域と、「準委任契約」であればその会社の所属かの確認はしておいた方が良いでしょう。

その会社のアウトプットやコミュニティへの所属など判断のポイントは多数あるかと思いますので、技術ある会社をきちんと選定できる社会になるようなればと思っております。

 

 

SESの開発のパートナー探しをされるのであれば

SESの開発のパートナー探しをされるのであれば「システム開発コンシェルジュ」で是非ご相談いただければと思います。

現在、10,000社以上の規模の数の会社があると言われるSESの会社の中で、なるべく要件に沿ったエンジニアリングを持つ企業とのマッチングができるようにご相談を受け付けます。

以下のフォームより開発でご相談いただきたい内容などご相談ください。

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