
日本のIT業界を世界を比較するとどうなのか?
日本のIT業界は遅れているといわれますが、実際にはどうなのでしょうか。
ローバルIT人材の転職エージェントGTalentが、国内民間IT市場の規模推移と予測を提示しています。
また世界と比較とした数値も含めてこの記事では説明していきます。
目次
日本のIT業界の市場規模
まずは日本のIT業界の市場規模のデータとみていきましょう。
2015年から安定して伸びていっていることがわかります。
この段階で2019年度や2021年度までは予測となっていますが、実際にこの数値と大差はありません。
参考:矢野経済研究所
国内民間企業のIT市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、2018年度が前年度比2.8%増の12兆4,930億円と推計した。
今後は、2019年度が前年度比3.4%増の12兆9,180億円、2020年度は同1.6%増の13兆1,240億円、2021年度は同1.5%増の13兆3,200億円と予測する。
2018年度はワークスタイル変革に関する取組みが引き続き堅調に推移した他、民間企業の収益力の高まりなどから、大規模システムの更改も目立った。
また、2020年1月に予定されているWindows7のサポート終了に向けたWindows10への買い替え需要も旺盛である。
これらの流れは2019年度も続くと予測する。
引用:矢野経済研究所
ご覧の通り、日本のIT市場規模は年々増加をしており、2019年の市場規模は12兆9,180億円(約100 billion dollors)となり、日本の産業の中でも非常に大きな規模を誇ります。
日本で今後3年間でIT投資が増加する分野
日本で今後3年間でIT投資が増加するのはERPだと発表しています。
また長年1位だったセキュリティソフトウエアも同率一位であり、重要性がわかります。
今後3年間でIT投資が増加するソフトウェアはERPが8年ぶりに首位に。
法人を対象としたアンケート調査においては、毎年、今後3年間でIT投資が増加するソフトウェアについて尋ね、回答を得ている。
2019年調査(回答社数482社、最大3つまで複数選択可能)では「ERP(基幹業務統合管理)」が41.9%で8年ぶりにトップに立ち、これまでトップであった「セキュリティ関連ソフトウェア」と同率1位となった。
ERPがトップになった背景には、経営環境の変化にあわせて基幹システムを更新する動きが進んでいることや、ERPパッケージのクラウド化が進んでいること、SAPのERP保守サポート期限が2025年に迫っていることなどがあると考える。
引用:矢野経済研究所
世界のIT業界の市場規模との比較
2019年の世界のIT支出の予測は、前年比3.2%で、金額は約3.8兆ドル(日本円で約400兆円)です。
成長は、特に企業ソフトウェアにおいて、前年からすべての分野で成長しています。
働き方の見直しなど、企業の経営効率を向上させる分野への多額の投資が必要と考えています。
ただし、この統計は2019年1月に発表されたため、コロナウイルス感染の拡大により、2020年以降の市場規模は2019年1月から大幅に修正されると予想されます。
ただし、必ずしも市場規模が下方修正されているわけではなく、在宅勤務の推進により一部の地域で成長率が高まると見込まれます。
世界と比較した日本のIT技術者数
2020年3月にヒューマンリソシアが実施した結果、IIT技術者の数は以下のように日本は4位となっています。
1位 アメリカ(477万人)
2位 中国(227万人)
3位はインド(212万人)
4位は日本(109万人)
このデータだけ見ると日本は4位ですが、上位4か国はいずれも日本よりも人口が多いため割合としては世界でもトップクラスのIT技術者がいるといっても過言ではありません。
中でもアメリカはずば抜けているのがわかります。
しかし3位のインドや2位の中国とは、人口の差を考えると世界でもトップクラスといって問題ないでしょう。
各国のIT人材のレベル比較
日本のIT人材のスキル標準レベルは、経済省が以下のように掲示しています。
まず以下のように、レベル7まで7段階でスキルをわけていきます。
レベル1:最低限求められる基礎知識を有している人材
レベル2:基本的知識・技能を有している人材
レベル3:応用的知識・技能を有している人材
レベル4:高度な知識・技能を有している人材
レベル5:企業内のハイエンドプレーヤー
レベル6:国内のハイエンドプレーヤー
レベル7:国内のハイエンドプレーヤーかつ世界で通用するプレーヤー
このレベル分けをふまえて、人数の分布図をみていきましょう。
レベル1の人:7.4%
レベル2の人:18.6%
レベル3の人:38.0%
レベル4の人:24.6%
レベル5の人:9.4%
レベル6の人:1.0%
レベル7の人:1.0%
以上のように日本はレベル3つまり応用的な知識や技能を持っている人が多いです。
またレベル4の高度な知識や技能をもっているエンジニアは全体のおよそ四分の一います。
しかしレベル5になると一気に減り、ハイエンドプレイヤーが足りていないことがわかります。
平均を出すと日本は3.17であり、これは日本、アメリカ、インド、中国、インドネシア、ベトナム、タイ、韓国の8ヶ国の中で日本は7番目となります。
アメリカが平均4を超えている他、東南アジアであるインドネシアやベトナム、タイも日本よりスキルが高いのがわかります。
1位 アメリカ(平均レベル4.05)
2位 インド(平均レベル3.90)
3位 中国(平均レベル3.58)
4位 インドネシア(平均レベル3.43)
5位 ベトナム(平均レベル3.31)
6位 タイ(平均レベル3.21)
7位 日本(平均レベル3.17)
8位 韓国(平均レベル3.14)
参考:経済産業省の資料『IT人材育成の状況等について』
経済産業省の資料『IT人材育成の状況等について』において、このレベルの数値が日本は世界と比較をしてもハイエンドな人材が足りていないことをおわかりいただけるでしょう。
給与との関係
同じく経済産業省の資料『IT人材育成の状況等について』にて、それぞれの国において現在の職で納得のいく給与を受け取っているかのアンケートをした結果を見ることができます。
先ほどと同じように、これは日本、アメリカ、インド、中国、インドネシア、ベトナム、タイ、韓国の8カ国でこの数字を比較するとなんと日本は最下位です。
わずか4%しか報酬に納得できていません。
1位 アメリカ(51.2%)
2位 インド(47.4%)
3位 インドネシア(30.8%)
4位 ベトナム(30.3%)
5位 タイ(27.8%)
6位 中国(15.0%)
7位 韓国(6.4%)
8位 日本(4.0%)
参考:経済産業省の資料『IT人材育成の状況等について』
アメリカが半分以上、インドも半分近くが満足しているのにこの差は歴然としているのがおわかりいただけるでしょう。
日本のIT人材のレベルは世界に比べて低い
ここまで日本人材のレベルに関して説明してきました。
平均的な技術を持つ人材は多いのですが、それ以上の人材となると一気に人数が減ります。
このことに関連し、給与も満足できていないことがあげられます。
これからITの業務はさらに需要が高くなることが予想されています。
しかし人材の育成のほか、受け入れ先の環境に関しても見直す必要がありそうです。
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