
メールアーカイブを導入支援する開発パートナー選びのポイント
「メールアーカイブ」という用語を聞いたことがありますでしょうか?「メールアーカイブ」は、eメールを保存する受信トレイ以外の保管場所に保存することを示します。
「アーカイブ(archive)」とは、書庫・記録という意味があります。
適宜に取り出すよう保管する目的で使用します。
メールメッセージを整理するために活用します。
メールメッセージは容易に削除できないものになりました。
しかし、永遠にやり取りしたメッセージを残した状態にしておくと、大切なメールの見極めができなくなります。
このような状況で役立つ機能が、重要なメッセージを長期保存する「アーカイブ」機能です。
アーカイブという用語を聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのか、どんな目的があるのかを知らないと方々が多いのではないでしょうか?これから「メールアーカイブ」について詳しく紹介していきます。
目次
1.メールアーカイブとは何か?
「メールアーカイブ」とは、eメールを保存する受信トレイ以外の保管場所に保存することを示します。
また、メールメッセージを証拠品・エビデンスとして保存する観点があります。
近年は、コンプライアンス(企業・団体の社内規定遵守・法的遵守等)の強化すること・個人情報の保護すること、業務上の重要なメールを確認することなどを目的にして導入する仕組みが「メールアーカイブ」機能です。
送受信したメールを定めた保管場所にファイルとしてまとめ、サーバー機器やストレージ(補助記憶装置のことです。
外付けハードディスクやUSBメモリー媒体を含みます。)に保存するソリューションを示します。
すべてのeメールメッセージと送受信履歴・添付ファイル保存します。
そのメッセージと添付ファイルのキーワード検索が可能で文書を効率的に管理できます。
さらに、個人情報・機密情報漏洩も抑止策として注視されています。
2.メールアーカイブの必要性
「メールアーカイブ」の必要性を紹介します。
「メールアーカイブ」は、約20年前にIT先進国のアメリカ合衆国から伝わってきました。
2002年に「SOX法」施行されました。
企業・団体の不正会計が散見されたことが発端で、企業・団体の粉飾決算や不正会計処理を防ぐため、内部統制を強め、管理・点検体制を整えることを義務づけた法律です。
企業・団体に送受信するすべてのeメールの保存・保管が義務づけられました。
保存期間は5年間とされました。
そのために、日本国内でも企業・団体の不正会計・粉飾決算を抑止するため「メールアーカイブ」の導入が始まりました。
「SOX」法は、企業・団体のもつ基幹システムへの不正アクセス・機密情報漏洩等のコンピューター電子データに関わる犯罪が起きたとき、証拠隠滅の形跡とデータの改竄の痕跡を見つけ出して原因究明と捜査に活用します。
結果的に、犯罪の証拠とした位置付けでeメールメッセージの履歴の開示が求められるようなりました。
そのため、企業・団体は送受信したeメールメッセージの内容を裁判所へ提出するための保管方法を整える必要が求められました。
そこで考案された仕組みが「メールアーカイブ」です。
日本国内は「メールアーカイブ」の義務づけはありません。
世のなかの風潮で、企業・団体に「コンプライアンス(法令順守)」を厳守するようになりました。
さらに、グローバル化に伴い、アメリカ合衆国のコンプライアンス基準を採用する企業・団体が増えてきました。
大手の企業・団体が「メールアーカイブ」を導入するようになっています。
日本国内では、個人情報の漏洩事件が散見されているため個人情報保護の観点で「メールアーカイブ」を導入しているようです。
送受信したeメールメッセージがすべて保存されることで、犯罪の抑止に繋がっています。
3.メールアーカイブとバックアップとの相違点
「メールアーカイブ」とバックアップとの相違点を紹介します。
「メールアーカイブ」の機能は、メールサーバーと連携して企業・団体がもつ、送受信したすべてのeメールメッセージと添付ファイルを完全な形で保管します。
完全とはメッセージを削除・修正等の改竄ができないことで長期にわたり保管します。
また、バックアップは、メールサーバーのハードディスク故障や障害が発生した時に、データ復旧を目的として、eメールメッセージを保管するフォルダー単位で複製と保存する形態です。
バックアップは定期的に実行されて、最新の状態にする機能です。
従業員が操作しているうえで、eメールメッセージを誤って消去したときに復旧することができます。
しかし、バックアップが完了後には復旧できません。
バックアップは最新の状態を保持することが目的です。
しかし、「メールアーカイブ」機能は、ハードディスク故障や障害が発生した時に復旧させる目的ではありません。
現在のフォルダーから消去したeメールメッセージは「メールアーカイブ」に保管されています。
送受信したeメールメッセージを証拠・エビデンスとして保管することが「メールアーカイブ」の機能です。
4.メールアーカイブのメリット
「メールアーカイブ」のメリットを紹介します。
第1にコンプライアンス(法的順守)強化できます。
企業・団体または、従業員が意図的に作成した不正行為の証拠となるえる可能性があるeメールメッセージの履歴を改竄・消去することができません。
そのため「メールアーカイブ」導入で不正行為の抑止効果があります。
また、個人情報の漏洩・機密事項の漏洩等の不正行為が生じたときは、「メールアーカイブ」から捜索可能で、経路の特定等の捜査協力ができます。
第2に訴訟から自企業・団体を守ることができます。
訴訟などで裁判所からeメールメッセージを開示請求されることがあります。
「メールアーカイブ」から真実の生メッセージを提出することができます。
過ちがなければ正当防衛をすることができます。
第3に業務上で重要なメールの確認することができます。
ビジネス上のトラブル(たとえば、商品を発注した履歴・受注して納期を返信した履歴等)を生じたとき、「メールアーカイブ」に送受信したeメールメッセージがあるので、事実関係を再確認することができます。
企業・団体が全社で導入する仕組みなので、信頼性がアップします。
第4に不適切なメール利用を抑止します。
企業・団体の従業員に「メールアーカイブ」を導入している周知をすると、従業員はコンプライアンスがアップします。
業務外のeメールを使用することを抑止できます。
第5にメールシステムの運用費用を削減できます。
「メールアーカイブ」導入は、ミラー化・多層化した高機能にメールサーバー機での保管をせずにすみます。
安価な外付けHDDなどの外部記憶装置で保管できます。
5.メールアーカイブの注意点
「メールアーカイブ」の注意点を紹介します。
送受信したeメールメッセージはすべて「メールアーカイブ」に保存されます。
そのため、eメールメッセージを悪用したウィルス感染を防ぐことが重要です。
メールサーバーにウィルス検知・削除するセキュリティー対策を施しますが、さらなる注意が必要です。
①覚えの無いメールは開かずに破棄すること、②メール検索に対応したアンチウィルスソフトを導入すること、③「メールアーカイブ」フォルダーを解凍したときがあれば、再度アンチウィルスチェックをすることです。
「メールアーカイブ」を導入したときは、ウィルス感染されない防御が必要になります。
6.メールアーカイブを導入支援する開発パートナー選びのポイント
「メールアーカイブ」導入は、企業・団体が導入している基幹システムとの連携は必要ありません。
しかし、基幹のメールサーバー機のバックアップと「メールアーカイブ」機能を自動化するためのデイリースケジュールを決めておく必要があります。
「メールアーカイブ」機能の導入は、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。
大手電機メーカー、ITベンダー企業、ITベンチャー企業は基幹システムをする部門以外に「メールアーカイブ・メールバックアップ」をサポートする担当エンジニアを用意しているはずです。
現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当やプロジェクト・マネージャーに相談してみましょう。
まとめ
「メールアーカイブ」は、eメールメッセージを削除せずに受信トレイの整理ができます。
さらに、必要なときには再見する機能があります。
「メールアーカイブ」機能を導入すると、コンプライアンス遵守と従業員のモラル向上を図ることができます。
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