RPA版OCRを導入支援する開発パートナー選びのポイント

「RPA」と「OCR」を組み合わせて利活用することで業務効率化に貢献します。

「RPA」「OCR」というIT技術は「業務効率化」を考えるとき検討されます。

「RPA」は、ロボティック・プロセス・オートメーションといいます。

英語表記はRobotic Process Automationで、頭文字3文字で構成される略称です。

「RPA」は従業員がパソコン等で行っていた作業をソフトウェアロボットが代行することです。

たとえば、データの抽出・データの転記や受け渡しなどの作業を「RPA」機能が代行します。

「OCR」は、オプティカル・キャラクター・リーダーといいます。

英語表記はOptical Character Readerで、頭文字3文字で構成される略称です。

画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能のことです。

たとえば、紙文書をスキャナー装置で読み込み、書かれている文字を認識してデータ化する技術を示します。

「RPA」と「OCR」を組み合わせることにより効果が高まります。

「RPA」は単純作業の自動化を実現する有効な技法です。

従業員がパソコン等にデータエントリーする単純作業を「RPA」に移行します。

エントリーする入力資源はデジタルデータであることがデメリットでした。

そこで、入力原票からエントリー項目を抽出してデータ化する「OCR」を組み合わせることで、「入力」「集計」「加工」「出力」の一連の作業を自動化することできるようになりました。

この一連の技法が「RPA版OCR」機能です。

 

 

1.RPA版OCRとは何か?

高精度な「OCR」機能に、「RPA」がもつ便利な機能を組み合わせた「OCR」アプリケーションソフトウェアのことです。

「RPA」機能だけでは対応できなかった入力原票のデータ化を効率的に行い、エントリー作業までの一連業務を自動化する技法です。

「RPA版OCR」には、エラー通知機能を実装しています。

「OCR」で入力原票を読み取るとき、フォーマット不一致等のエラーを通報する機能が実装されています。

「OCR」機能でフォーマットエラーを生じたとき、「RPA」機能でエラーを監視して、エラー対応をリアルタイムに実行します。

また、多様なPDFファイルに対応しています。

画像と文字のPDFファイルの読み込みが可能になりました。

各企業の請求書等はフォーマットが異なります。

「RPA版OCR」はテキスト情報が含まれるPDFファイルを認識するので、広範囲な作業で活用されます。

さらに、フィールド名一括設定機能を実装しています。

フォーマット編集機能で、リストファイルからフィールド項目欄(表計算ソフトの「列」)を一括で取り込みします。

 

 

2.OCRとRPAのそれぞれの特徴や違い

「OCR」処理は、入力原票を読み込みして記載されている文字をテキストデータに変換する機能です。

手順は、画像データを取り込み、テキストデータに変換処理します。

画像データはテキストデータに比べると容量が大きくなります。

HDD(ハードディスクドライブ= hard disk drive)は、磁性体を塗布した円盤を高速回転させて磁気ヘッドを移動することで、情報を記録し読み出す補助記憶装置)容量の制限があるので、「OCR」処理は合理的です。

また、最新の「OCR」は文字認識にAI技術を搭載している新製品がリリースされていて、認識精度は飛躍的に向上しています。

「RPA」は複数のシステムを操作するので、「OCR」で読み取りした文字データを複数のシステムにエントリーすることができます。

入力原票・他帳票の文字をデータ化し、定形化したシステムで利用するには「OCR」機能で充分です。

しかし、「OCR」処理の自動化と「OCR」処理したテキストデータを複数のシステムでエントリーするには、高度な「RPA版OCR」システムの導入が必要になります。

 

 

3.RPA版OCRの活用例

「RPA版OCR」の活用事例を紹介します。

 

3.1.各種様式の勤怠情報をエントリー

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)企業の事例です。

複数社から従業員の給与事務の代行委託をしています。

毎月、CSV(comma-separated valuesとは、テキストデータを複数のフィールド(項目)に分けて、そのフィールド間を区切り文字であるカンマ「,」で区切ったデータ形式)・Excel等のデータと紙書類の勤怠情報の登録作業を代行しています。

紙書類はシステムへエントリーするためにデータ化する必要がありました。

現在は「RPA版OCR」を導入して、「OCR」処理したテキストデータを「RPA」が受信して、人事給与システムに自動登録する仕組みに改新して効率化を図りました。

以前は、人的作業によるエントリー作業でしたが、エントリー作業を「RPA」に移行したことで、大きな効率化を実現させました。

また、「RPA」は従業員の就業時間に制約がありません。

月末締め切り資料が集中する時期(月初~1週間程度)の業務量が平日の数倍の仕事量になります。

「RPA」の夜間稼働などで対応して従業員の負担を軽減させています。

 

3.2.物品受領書のデータ化と販管システムとの自動照合

食品メーカー企業の事例です。

毎日多くの取引先へ商品の配送を行っており、膨大な量の物品受領書の確認作業に追われる状況でした。

物品受領書を「OCR」処理してデータ化し、「RPA」機能で物品受領書データと販売管理システムの配送伝票情報との照会を自動化しました。

物品受領書と配送伝票の照合・確認作業を担当する従業員の工数が削減できました。

商品の送付や受取業務が大量に発生しました。

紙帳票を「OCR」でデータ化して、「RPA」機能でデータエントリーして、基幹システムとリンケージすることで、業務の大幅な効率化が図れました。

「OCR」と「RPA」を組み合わせることで、紙伝票の照合作業が省力化されます。

さらに、紙帳票を探索する作業を「RPA」機能が行います。

効果として、お取引先様からの問い合わせにリアルタイムな対応が実現できました。

「RPA版OCR」機能は紙書類のよる機能の効率化です。

今後はペーパーレス化の仕組みを検討して、タブレット端末と基幹システムをリンケージするよう遷移するでしょう。

 

3.3.月末・月初の経理業務の帳票処理負担を軽減

経理部門は月末・月初になると、取引先からの請求書や社内経費申請書等など、紙伝票の処理作業が集中します。

上記の状況下では、派遣社員等の手配が厳しく、従業員が残業する・休日出勤することで対処するケースが多いようです。

社内外の紙帳票の処理は、文字の読み取りと基幹システムへのエントリーをするルーチンワークなので、「RPA版OCR」機能との親和性が高くなります。

そのため、企業・団体は月末締め切りの紙伝票処理を「RPA版OCR」する仕組みが注視されています。

 

3.4.各種申込書の登録処理の自動化

某企業は各種申込書のエントリー作業に多くの人的コストを掛けていました。

お顧客先様が手書きで記入した申込用紙を従業員が判読して、専用システムにデータエントリーをしていたので、申込書用紙のチェック要因とデータエントリーオペレーターを多く採用して、多くの作業時間が必要でした。

さらに、エントリーチェッカーも必要でした。

当該企業は「AI機能が搭載したOCRとRPA」の複合システムを導入しました。

その結果、申込書用紙のチェック・データエントリー・エントリーチェックの処理件数の増強、エントリー品質の向上が実現しました。

新機能は、第1に申込書を「OCR」とAI機能で文字認識して、その結果を従業員が確認します。

第2に基幹システムへのデータエントリー作業は「RPA」機能が担います。

手入力による誤入力の削減とエントリースピードがアップしました。

第3に、AI機能のフィードバックとして、「RPA」が手書き申込書の画像とエントリー結果を送信します。

第4にAI機能が自動で機械学習によりデータを蓄積することで、誤入力を極力抑えられるようになりました。

「OCR」とAI機能を組み合わせて、紙書類のデータエントリーの省力化と、機械学習による読み取り精度の向上を目指した結果です。

さらに「RPA」と組み合わせたことにより従業員が担当していた単純作業が自動化されました。

 

 

4.RPA版OCR機能でさらなる効率化が期待できます

「RPA版OCR」機能で、事務作業をさらなる効率化を図ります。

「OCR」は、紙書類の文字読み取りとテキストデータの出力・保存を担当します。

「RPA」は従業員がコンピューター等で操作する定型業務・単純作業の自動化をすることにプラスして、基幹システムとリンケージするメリットがあります。

「OCR」で読み取ったテキストデータは、「RPA」機能が基幹システム以外のサブシステムとのリンケージができるようになります。

基幹システム・サブシステムを横断したデータの入力・抽出・加工・集計の処理も可能になります。

「OCR」単体だけでなく、「RPA」と組み合わせた利活用で、作業の自動化と省力化、効率化・実行速度のアップ・誤入力の削減が実現します。

業務上、紙書類を取り扱うケースでは、「RPA版OCR」の仕組みの導入を検討して、業務の効率化を図りましょう。

 

 

5.RPA版OCRを導入支援する開発パートナー選びのポイント

「RPA版OCR」は、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。

大手電機メーカー、ITベンダー企業は基幹システムをする部門以外に「RPA」「OCR」機能をサポート担当エンジニアが常駐しています。

現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当やプロマネに相談してみましょう。

「RPA版OCR」機能で処理したエントリーデータを基幹システムとリンケージするときは、基幹システムを導入した開発パートナー企業と相談しないで、他メーカーや他ベンダー企業のソリューションを導入すると、基幹システムへ再エントリーする等の重複ワークが発生します。

「RPA版OCR」を導入するときは、基幹システムとの連携を優先しましょう。

ただし、「OCR」装置は全ての大手電機メーカー、ITベンダー企業が取り扱っていないケースがあります。

しかし「RPA版OCR」の仕組みは取り扱いをしているはずです。

基幹システムを導入した開発パートナーを参加させて、業務効率化を図りましょう。

 

 

まとめ

今後は、紙書類がインターネットWeb画面への登録した内容に置き換わる可能性があります。

その場合「RPA版OCR」機能は衰退していきます。

しかし、地方自治体は紙書類での業務が一般的です。

しばらくは「RPA版OCR」機能で、業務効率化を維持しましょう。

 

 

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