
健康管理システムを導入するために必要なポイント、注意点とは?
企業には以下のように社員の健康に関して義務付けられています。
【安全配慮義務】
会社は従業員が安全で健康に働くことができるよう、職場の環境や勤務体制、健康管理体制に配慮を行うという責任を負っています。
このことを安全配慮義務といいます。
引用 労働契約法第5条
企業では従業員の健康や安全を守る義務があり、場合によっては損害賠償に発展します。
目次
健康管理システムとは
簡単にいえば健康管理システムとは「従業員それぞれの健康データを一括で登録し、管理するためのITシステム」といえます。
現在、企業には従業員に健康診断を受けさせることが義務となっていますが、その結果をすべてまとめて書類を作成するのには多くの手間が必要でした。
仮に何かしらの間違いが確認された場合には、紙媒体の山の中から該当書類を見つけなければいけませんし、場合によっては0から書類を再度作成しなければいけないこともあります。
しかし、ITに切り替えてしまえば修正から登録まで一瞬の間に完結できるという点で大きいメリットが見込めます。
遠隔地にいる様な場合であっても、オンラインならば書類発送の時間を大幅に短縮できますし、必要に応じて同じ様な状態にいる人達をカテゴリー毎にまとめて作業効率を大きく上げることも不可能ではありません。
健康管理システムはさまざまな会社が提供を行っているため、事前に自社の都合と合ったシステムなのか調べておく必要があります。
他にも一見すると便利であったとしても、システムを切り替えるまでの移行期間には、一定の初期投資はどうしても見ないといけません。
紙媒体からITに切り替える際に、登録内容に間違いがないかの確認やスタッフへの丁寧な説明も必要不可欠となります。
しかし、その分をデメリットとして差し引くとしてもメリット面がとても大きくなりますので、導入を検討してみるのも1つの選択肢といえます。
少子高齢化に伴う深刻な人手不足や、コロナ禍により急速に浸透したテレワークに伴う従業員の健康管理の観点から、経産省が推進する「健康経営」に注力する企業が増えてきています。
健康経営とは、従業員の健康管理をコストではなく戦略的な経営投資として捉える考え方のことで、離職率の抑制や生産性の向上など多くのメリットが見込めます。
企業向け健康管理システムを利用することで、従業員の健康状態や健診結果をペーパーレスで一元管理できるようになるため、効率的に健康経営に取り組むことが可能です。
企業向け健康管理システムは、健康診断の情報管理やストレスチェックの実施管理などの健康情報を管理するタイプと、感染症対策の一環として従業員の日々の健康状況を確認するタイプに大別されます。
健康管理システムの機能とは
健康管理システムにもさまざまな機能があります。
社員の健康情報を管理
これまでエクセルやPDF、紙などでバラバラに管理してきた従業員の健康に関する情報を集約し、データベース化してペーパーレスで一元管理することが可能です。
従業員一人ひとりの健康状態を管理画面からリアルタイムで把握できるため、健康診断結果の管理だけでなく、産業医と協力してメンタル不調を予防するなど、きめ細やかなケアができるようになります。
また、労働安全衛生法第66条の10に係る事業場における一連の取り組みとして、労働者が50人以上の事業所に義務付けられている「ストレスチェック制度」を正しく導入し、高ストレス者の早期発見や労働環境の改善にも役立てることができます。
健康管理システムのメリット
それでは健康管理システムのメリットを説明していきます。
- コスト削減
- 可視化される
- 労働環境の改善
コスト削減
1番大きいメリットは「書類作成に掛かっていたすべてのコストが大幅に削減されること」です。
労働基準監督署に提出する報告書等も簡単に作成できますし、紙媒体の保管場所の確保の必要性も大幅に減ります。
つまり、維持管理費に掛かっていた資金なり人員なりに、大幅な空きができるということでありその分を会社の他の部分に回すことができます。
可視化される
従来の健康管理では、健康診断の結果が書いてあったとしても従業員がその結果を活かせるとは限りませんでした。
「数字の結果が何を意味しているのかがわかりづらい」「悪いと書いてあったとしても、その後でどういう対策をしたらよいのかわからない」など、せっかく結果があるのにそれを活かせないことも少なくありません。
しかし適切な健康管理システムを導入すれば「平均的な数字がどの程度であり、自分が現在どういったカテゴリーにいるのか」といった点がわかりやすく確認できる様になります。
他にもすべてのシステムに導入してあるわけではありませんが、病気の兆候があったとしてそれを改善するにはどういった対策を採ったらよいのかということが即座に表示される仕様でしたら、社員は次の行動を取るのに迷わないで済みます。
意味がわからないための不安や、物事を安易に楽観して病気の悪化を防ぐという意味で、とても大きい意義があります。
労働環境の改善
社員の健康状態が可視化されるということは、職場の課題を発見するという点でも大きいメリットがあります。
問題が起きそうな社員を1人ずつ発見して事前に手を打っていくというのもよい使い方ですが、たとえば1つの部署で同じ様な病気を抱える人が何人も出ているという事は、その部署には管理上何かしらの改善を要する問題があると見る事もできます。
人間関係的な面から来るストレスという事もありますし、座り仕事や立ち仕事が極端に多い事から来る足腰の不調等という事もありますが、個人単位ではなくて部署単位で改めて内容をチェックして次手を打った方がよい様ケースも少なくありません。
どうしても一定以上の予算が必要になったり、多くの意味でコストを掛けなければいけない結果になる事もあります。
しかし、少子高齢化が進む昨今優秀な人材をしっかり確保しておくという事は企業が生き残る上で重要な課題となります。
離職率を下げるという点で、健康管理システムを使う事を考えるのも生存戦略として悪くありません。
健康管理システムのデメリット
健康管理システムには上記のようなメリットがありますが、デメリットもあります。
唯一注意点があるとするならば「可視化された物がすべてであると妄信しない事」です。
状況というのは日々動く物ですし、健康診断とは「特定の項目を調べた結果」でしかありません。
その部分から漏れてしまう問題も当然出て来ますし、人間である以上、問題があってもいい出せないままだったという様な事も当然あります。
その点を勘案するならば、システム以外のフォローアップの方法も常に話し合っておくと堅実です。
健康管理が求められる理由とは
社員の健康管理は以下のような理由で必須となっています。
今後はさらに健康管理が求められることでしょう。
労働生産性の向上による業務効率化
健康管理は従業員個人の問題だけでなく、企業の利益につながります。
従業員が健康でないと、組織の生産性低下はもちろん、企業イメージの低下につながり業績の低下等に直結します。
従業員が健康であれば、個々の従業員のパフォーマンスは向上し、企業全体の生産性の向上につながり、業務を今まで以上に効率的に進められます。
一人でも多くの従業員の健康が維持された職場では、安定的な生産性が保たれます。
限られた労働力で生産性を最大化するためには、病気によって休職者や退職者が増える悪循環を止める必要があります。
離職率の改善
厚生労働省の調査によると、離職する主な原因は労働環境によるものが大半です。
従業員の健康を追求することは、業務に対するモチベーション向上だけでなく、おのずと労働環境の見直しや、改善にもつながります。
一定のモチベーションが保たれながら従業員がいきいきと働けるという環境がつくられれば、働きがいのある組織風土が定着し、離職率の低下や優秀な人材確保を実現できます。
まとめ
従業員の健康と安全は企業にとっても従業員にとっても大きなテーマと言えます。
安全・安心の職場づくりをすることで社員のモチベーションなどになどに生かすこともできます。
システムとして効率的かつ可視化して実施していくことで大きな成果を挙げられるでしょう。
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