
農業に関連するITの動きとは?
農業は最もIT化が遅れている産業の一つでした。
しかし業務は大変であるだけでなく、作物が必ず育つとは限りません。
そこで近年農業に対しても、IT化を取り入れ業務効率化をすすめています。
それではこの記事では、農業に関するIT化の動きを説明していきます。
目次
農業における現状とは
それでは日本の農業における現状を説明していきます。
農業従事者の状況とは
農林水産省によると以下のようなデータがでています。
基幹的農業従事者数(個人経営体)
176万人(2015年)→ 136万人(2020年)
基幹的農業従事者数に占める65歳以上の割合
64.9%(2015年)→ 69.6%(2020年)
つまり農業従業者は5年間に40万人減っており、さらに65歳以上の人口が増えており労働力不足が問題になっているのです。
この状況を踏まて、外国人材の受け入れが以下のように増えています。
しかし新型ウイルスコロナの影響により2020年以降は受け入れの見通しが立たないケースが全国で2,500人となっています。(令和2年5月20日時点)
農業分野の外国人材受入れ状況
1.7万人(2014年)→3.5万人(2019年)
農業人口が減っている理由
農業人口が減っている理由に以下のような点があげられます。
- 手作業が多く大変
- トラクターなど操作が難しい
- 売上が安定しない
手作業が多く大変
農業は手作業が多く、体力仕事や危険な作業が多いのが現状です。
トラクターなど操作が難しい
トラクターなど熟練者でないと、なかなかできない作業があることから新参者にとって参入しずらいのが現状です。
売上が安定しない
農業は大変な作業のわりに、売り上げが安定するわけではありません。
せっかく植えた作物が必ず育つとは限りません。台風などが続くと売り上げが大きく下がる可能性もあります。
IT化が進むのは遅かった
海外では先端技術を農業に取り入れ、効率的に農業の作業ができるようになっていました。
日本では農業のIT化は遅かったのです。
しかし近年では、給食にITを使った管理が進んでいます。
このことにより作業効率をあげたり、また作物を販売しやすくなっています。
詳しくは以下に説明していきます。
スマート農業とは
農林水産省において、ロボット技術やICTなどの先端技術を活用して、業務を効率化しさらに高品質の生産をするスマート農業を推進しています。
スマート農業の効果
主なスマート農業の効果は以下の3点です。
ロボットやスマホアプリ、そのほかITツールを使うことにより作業の自動化や、作業記録の管理、また農作物の生育を予想することによりピンポイントで農薬を散布するなどさまざまな活用をしていきます。
作業の自動化
ロボットトラクタ、スマホで操作する水田の水管理システムなどの活用により、作業を自動化し人手を省くことが可能に
情報共有の簡易化
位置情報と連動した経営管理アプリの活用により、作業の記録をデジタル化・自動化し、熟練者でなくても生産活動の主体になることが可能に
データの活用
ドローン・衛星によるセンシングデータや気象データのAI解析により、農作物の生育や病虫害を予測し、高度な農業経営が可能に
引用:農林水産省
スマート農業の導入
現在全国179地区で展開をしています。
水田作、畑作、施設園芸、花き、果樹、茶などさまざまな場所で取り組みをしているのです。
農業におけるITツールの利用方法
それでは農業において、ITツールがどのように使われているのがご紹介していきます。
これまで人間の目だけでは確認できなかったことが、ITツールを使うことで見える世界が広がっているのです。
- 栽培記録の管理
- 収益記録の管理
- WEBを使った販売
- 光合成データの管理
- 食品廃棄の削減
栽培記録の管理
生産状況、栽培記録を残すことにより毎年のデータを取ることができます。
このデータを分析し今後に生かすことができるのです。
これまではなんとなく覚えていることを頼りに栽培をしていたのが、今後はしっかりとデータを基に栽培が可能です。
収益記録の管理
収益に関しての記録も可能です。
どのような作物でどのように栽培したものが、どれくらい収益につながっているかの管理が可能です。
栽培記録と両方できるツールもあり、今後の販売拡大の戦略につなげることが可能です。
WEBを使った販売
これまでは収穫した農作物を直売場や他の店舗などにおろして販売するのがメインでした。
しかし農作物においても、WEBを使った販売をするケースが増えています。
直接消費者に販売をすることができるので、マージンの支払いが必要なく収益を増やすことができるのです。
さらに直接販売だけでなく、WEBを使って飲食店などとやり取りをするケースが増えています。
このようにITツールを使って、農作物の販売経路を増やすことができます。
光合成データの管理
光合成のデータを管理することにより、栽培環境を最適化することができます。
このことにより無駄な暖房をする必要がなく燃料の消費を削減することができます。
食品廃棄の削減
スマートフードチェーンとして農業データ連携基盤を使って、生産から販売までデータ管理をします。
このことにより食品廃棄の削減につなげることができます。
経済財政運営と改革の基本方針2021
2021年6月18日に閣議決定した、経済財政運営と改革の基本方針2021の一部抜粋を掲載します。
以下のように農業従事者の減少や気候の変動などに対して、農業従事者の所得の向上また業務効率化を進めることを伝えています。
輸出を始めとした農林水産業の成長産業化
人口減少に伴う国内市場縮小や農林漁業者の減少、気候変動等に対応するため、農林水産業全般にわたる改革を力強く進め、成長産業としつつ、所得の向上、活力ある農山漁村の実現、食料安全保障の確立を図る。
輸出戦略に基づき、マーケットインやマーケットメイクの推進に向け、品目団体の組織化等による海外での販売力強化、農産物特有のリスクに対応し事業者の後押し等の施策を講じ、所要の6改正も含め検討する。加工・業務用野菜の国産切替えを進める。
「みどりの食料システム戦略」の目標達成に向け、革新的技術・生産体系の開発・実装、グリーン化に向けた行動変容を促す仕組みを検討するとともに、国際ルールづくりに取り組む。
中山間地域等を含めた生産基盤の確保・強化に向け、スマート農林水産業の実装加速化、支援サービス事業の育成等を推進するほか、農地バンクの機能強化等による農地の集約と最大限の利用、多様な人材確保と担い手育成、新たな農業・農村ビジネス展開を大胆に進める仕組みを検討する。
土地改良事業や家畜疾病対策を推進するとともに、広域捕獲等の鳥獣対策を強化する。食品産業の強化に向け、自動化、データ連携等の推進、新しい生活様式に対応した業態転換等を進める。
引用:農林水産省
スマート農業推進フォーラム
スマート農業に興味がある、また取り入れようとしている農業関係者向けに、スマート農業推進フォーラムを毎年開催しています。
これまでのスマート農業プロジェクトでの成果、近年の研究成果、スマート農業を扱う企業からの説明などを体験することができます。
そのほか政府広報シンポジウムやスマート農業推進総合パッケージなど、さまざまな取り組みを政府がしています。
まとめ
日本は農業においては、ITの導入が遅れていました。
きかし近年政府が導入しているスマート農業など、農業においてもITの導入が進んでいます。
生産管理や販売管理、そのほかの管理をITに任せることにより、農家の負担を減らすことができるのです。
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