
デジタルガバメントを推進する開発パートナー選びのポイント
「デジタルガバメント」という用語を聞いたことがありますでしょうか?「デジタルガバメント」は、日本政府が取り組む改革政策で、デジタル技術を活用しながら行政サービスを見直して日本国が抱える社会問題の解決と経済成長を実現するための政策のことです。
少子高齢化や生産年齢人口(労働力の中心層である15歳以上65歳未満の人口のことです。)の減少化等の日本国の課題に対処するために、日本政府が尽力する取り組みです。
「デジタルガバメント」により、行政のIT・デジタル化を進めます。
目指すものは行政サービスの100%電子化で、「デジタルファースト(行政手続きをデジタルで完結させることです。)」「ワンスオンリー(申請者に同一情報の提供を求めないことです。)」「コネクテッド・ワンストップ(手続きは1回だけのことです。)」の三原則です。
これからデジタルガバメントの概要や、デジタルガバメントの推進によって住民や企業・団体が受けるメリットを紹介していきます。
目次
1.デジタルガバメントとは何か?
「デジタルガバメント」は、日本政府が掲げる政策のひとつです。
デジタル技術を活用して行政サービスを見直します。
日本国が抱える社会問題の解決と経済成長を実現するための政策です。
「デジタルガバメント」は「行政サービスを利用者にとって便利で使いやすいものにすること」「官民の生産性を低下させる要因を取り除くべく、行政の縦割りや官民の垣根を超え、行政の在り方さらには社会全体をデジタル技術によって作り変えていくこと」を目的としています。
(参考:政府CIOポータル)
「デジタルガバメント」が導入させると、行政手続きがインターネットを介して24時間いつでもどこでも行うことができるようになります。
省庁・都道府県庁・市区町村役場へ行き紙媒体を提出せずに、パソコン・タブレット端末・スマートフォンで電子申請できます。
政府・企業の利便性が飛躍的に向上すると期待されています。
2.デジタルガバメントが推進される背景
「デジタルガバメント」が推進される背景を紹介します。
2008年から日本の人口が減少し始めています。
そのため少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少・都市圏への人口集中などにより、存続が厳しい地方自治体が現れました。
この状況では、住民一人ひとりのニーズにあった行政サービスができないと危惧されます。
社会構造の変化に伴う諸課題を解決するためには、デジタル技術の利活用が不可避に至りました。
第1に「デジタルガバメント」の目的を紹介します。
従来の紙媒体による行政の手続きをデジタル化する取り組みは進められてきましたが、政府主導ではありませんでした。
上記に対して「デジタルガバメント」は、単純に情報システムを導入すること・手続きをオンライン化することではありません。
既存の仕組みをイニシャライズして、デジタル技術を再構築して、官民の生産性を非効率にさせる因子を除去します。
デジタル化により良質な行政サービスを提供して、新たな社会基盤を築くことが目標です。
第2に「デジタルガバメント」の現状を紹介します。
従来の手続きをデジタル化する取り組みは進んでいますが、インターネット経由やオンラインによる申請は進んでいません。
特に地方自治体は、オンラインの行政手続きの利用率は、約半数程度が現状です。
要因は、市区町村役場の窓口へ紙媒体で申請する規定、申請書のフォーマットに統一性がないことです。
さらに、システムの利用の煩雑さが影響しているようです。
「デジタルガバメント」を推進するために、インターネット経由・オンラインの手続きを利用した住民にインセンティブを付与すること(たとえば、マイナポイントなど)・情報システムを再構築することなど、オンライン化を阻む因子を除去する取り組みが始まっています。
3.デジタルガバメントの実行計画
「デジタルガバメント」の実行計画を紹介します。
日本政府は4年前の2017年5月に「デジタルガバメント推進方針」を策定しました。
方針の骨子は、行政のあり方をデジタル前提にした見直しをすることです。
その策定案は、2年後の2019年12月に「デジタルガバメント実行計画」が閣議決定されました。
「デジタルガバメント」実行計画は、新型コロナウイルス感染症への対策を進めるなかで不十分・不明瞭な手続き改善する要件を踏襲して、2020年12月に改定しました。
実行計画のなかには、デジタル庁の新設があり、2021年9月に開庁しました。
他の計画は、①行政手続きのデジタル化、②個人・法人関係の申請手続きのワンストップサービス推進、③マイナンバーカードの普及促進が示されています。
上記③のプライオリティが高いとされています。
4.デジタルガバメントのメリット
「デジタルガバメント」のメリットを紹介します。
第1に申請手続きのワンストップサービス化の実現です。
ワンストップサービスは、一回の申請で複数の行政手続きが完了できるサービスをいいます。
今までは、縦割り組織でしたので、担当の窓口が分業していました。
住民・企業担当者は、複数の所管施設・複数の窓口をめぐる必要がありました。
ワンストップサービスは、各種手続きにかかる手間を大幅に削減することが可能になります。
「デジタルガバメント」のワンストップサービス適用範囲予定は、個人の子育て・介護、引越し、死亡・相続の手続きです。
企業・団体は、法人の設立や登記変更、企業が行う従業員の社会保険・納税の手続きです。
第2に「Society5.0」の実現です。
「Society5.0」とは、仮想空間と現実空間を最先端のデジタル技術を活用して高度に融合させ、社会課題の解決と経済発展の両立を目指す社会を指します。
(参考:政府CIOポータル)「デジタルガバメント」実行計画を進めていくうえで「Society5.0」が前提です。
「Society 5.0」が目指すイメージは、「IoT」機能により人とモノとをつなげます。
加えて「AI技術」を活用して必要なタイミングで必要な情報を取得可能になります。
日本政府は「Society 5.0」が実現することで、少子高齢化・地方の過疎化・貧富の格差が解消できると期待しているようです。
第3に行政のDX推進です。
行政がDX(デジタルトランスフォーメーション=最新のデジタル技術を駆使し、デジタル化時代に対応するための組織変革のことです。)を推進することで、労働生産性の向上・働き方改革の促進につながると期待しているようです。
中央省庁は、デジタル化・オンライン化が進んでいるように見えますが。
内情は紙媒体の文化が根強く残っています。
未だに中央省庁と取引する企業・団体は、資料・提案書を紙媒体で提出することに留まっています。
企業・団体はペーパーレス化・押印の廃止が進んでいます。
中央省庁のペーパーレス化・押印の廃止が浸透することで、企業・団体との乖離がなくなり、DXが推進すると期待されています。
第4に行政サービスの利便性向上があげられます。
行政サービスは住民や企業・団体に向けて「すぐに使える」「簡単に」「便利」であることです。
そのために「サービス設計12箇条」を標榜しています。
各項目は以下の通りです。
- 第1条 利用者のニーズから出発する。
- 第2条 事実を詳細に把握する。
- 第3条 エンドツーエンドで考える。
- 第4条 全ての関係者に気を配る。
- 第5条 サービスはシンプルにする。
- 第6条 デジタル技術を活用し、サービスの価値を高める。
- 第7条 利用者の日常体験に溶け込む。
- 第8条 自分で作りすぎない。
- 第9条 オープンにサービスを作る。
- 第10条 何度も繰り返す。
- 第11条 一遍にやらず、一貫してやる。
- 第12条 情報システムではなくサービスを作る。
(参考:政府CIOポータル)
日本政府は住民や企業・団体の利便性を向上するために、最良なUX(ユーザーエクスペリエンス)を重視しています。
UXは、分かりやすいWebサイト画面で簡単な操作手順を提供することです。
5.デジタルガバメントを推進する開発パートナー選びのポイント
「デジタルガバメント」は、企業・団体が導入している基幹システムとの連携と、直接の関連性がありません。
但し、ワンストップサービスでは、企業・団体が行う「従業員の社会保険・納税の手続き」に関して、インターネット経由やオンライン申請が可能になるようですので、システム化の準備を検討してもよいでしょう。
但し、ワンストップサービスを導入・提供する中央省庁・地方自治体の仕様と開始時期がありますので、内容を十分に確認して作業をすすめましょう。
「デジタルガバメント」対応については、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。
大手電機メーカー、ITベンダー企業は基幹システムをする部門とは別に「デジタルガバメント」支援サポート部門があります。
現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当やプロジェクト・マネージャーに相談してみましょう。
まとめ
「デジタルガバメント」が実現すると、行政手続きの手間が軽減させることに限定させずに、企業・団体の労働生産性の向上につながると期待しているようです。
加えて、少子高齢化・地方の過疎化・貧富の格差が解消できると期待しているようです。
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