電子帳簿保存法改正を支援する開発パートナー選びのポイント

日本政府はデジタル化を推進しています。

2021年9月にデジタル庁を開設して、牧島かれん衆議院議員が2代目長官に任命されています。

そのなかで2022年1月に「電子帳簿保存法」が改正されます。

今までの帳簿書類のスキャナ保存に関する事前承認の制度が廃止されて、請求書・領収書等が電子データとして保存できるようになります。

経理・財務・会計データの電子化によるペーパーレス化で、環境保全・コスト削減、業務効率の向上を図ります。

これから2022年1月施行の改正内容について紹介していきます。

 

 

1.電子帳簿保存法とは何か?

「電子帳簿保存法」は、国税関係帳簿書類の保存を紙媒体ではなく、電子データでの保存を認めた法律です。

1998年に施行されました。

正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」です。

従来は会計帳簿・決算書等は紙媒体で保存することが基本でした。

企業・団体は会計帳簿・決算書を電子データで保存していても、POして「物理的保存」をしていました。

「電子帳簿保存法」は紙媒体での手続きを電子化することを目的に法制化されました。

1998年に施行された「電子帳簿保存法」はIT技術の飛躍的進歩により、法改正を繰り返しています。

2005年は、「e-文書法」の施行に合わせてスキャナで入力した電子データ記録の保存が認定されました。

2015年は、3万円以上の上限金額の規制が廃止され、電子署名が不要になるスキャナ保存制度が緩和されました。

2016年は、デジタルカメラ・スマートフォンで撮影した電子データの保存が認定されました。

2020年は、キャッシュレス決済対応として電子の取引明細が保存可能になりました。

上記の通りにIT環境の進歩により「電子帳簿保存法」は改版を繰り返しています。

 

 

2.電子帳簿保存法改正の要件緩和の背景と目的

紙媒体より電子データによる保存・保管が効率的です。

書庫等の部屋を設けることが不要になり、経費削減効果があります。

しかし、企業・団体が導入に踏み込めなかった背景があります。

その背景の最も大きな障壁が「税務署による事前承認」が必要なことです。

企業・団体が電子データ保存するためには、運用開始の3か月前までに所轄の税務署での手続きを要しました。

「承認申請書」を記載して、処理の責任者・作業工程を明記した「事務手続きの概要」を作成して提出する義務がありました。

企業・団体は税務署に書類を提出して3か月間の精査を受けます。

承認されまでの待ち期間が障壁となり導入が進まない状況でした。

日本国内には約360万社がありますが、「電子帳簿保存」認証企業は約27万社、「スキャナ保存」認証企業は約0.4万社と希少です。

「電子帳簿保存」制度が普及させていないことは明白なのです。

そのため2022年1月に大幅な規制が緩和されます。

 

 

3.電子帳簿保存法改正の4つのポイント

「電子帳簿保存法改正」の4つのポイントを紹介します。

改正点は「承認制度の廃止」「タイムスタンプ要件の緩和」「適正事務処理要件の廃止」「検索要件の緩和」です。

 

3.1.承認制度が廃止されます

「電子帳簿保存法」制度が普及されない課題は、導入企業・団体が希少であることです。

今回の法改正で精査に時間を要する承認制度が廃止されます。

会計書類の電子データ保存・保管を推進する企業・団体は効率化を図ることができます。

法改正前は、制度が導入の3ヶ月前までに税務署に申請書の提出が必要でした。

加えて承認されるまで3か月の待機期間が必要でした。

法改正後は、法律が定める基準を満たし、「電子帳簿保存法」に対応した機能を備えている経費精算システム等を準備することです。

社内規定が整備と運用ができれば「電子帳簿保存」「スキャナ保存」が適用されるようになります。

 

3.2.タイムスタンプ要件が緩和されます

電子的な時刻証明書であるタイムスタンプは、電子データが作成された日時を証明します。

つまり、タイムスタンプをマーキングした電子データは改竄されていない証明といえます。

従来は、タイムスタンプのマーキングを受領後の3日以内に行う制約がありました。

改正後は、最長2ヶ月以内に延長されます。

法改正前は、国税関係書類をスキャナ読み取りしたとき、受領者が自署したうえで3営業日以内のタイムスタンプのマーキング義務がありました。

法改正後は、スキャナ読み取りの際の受領者の署名が不要になります。

さらに、タイムスタンプのマーキングを最長2ヶ月以内に延長されます。

 

3.3.適正事務処理要件が廃止されます

「電子帳簿保存法」は、不正経理防止を目的とした社内規程を整備する必要がありました。

これを「適正事務処理要件」といい、チェックのために紙媒体が必要で保存・保管することが義務化されていました。

この「適正事務処理要件」が「電子帳簿保存法」普及させる障壁になっていたのです。

2022年1月の法改正で「適正事務処理要件」が廃止されます。

法改正前は、社内規定を整備して「適正事務処理要件」を徹底する必要がありました。

さらに、定期検査で紙媒体と電子データとの照合精査をするため、紙媒体の保存・保管が不可欠でした。

法改正後は、「適正事務処理要件」が廃止されます。

定期検査で保存・保管が必要だった紙媒体は、スキャナ保存後に破棄してもよくなります。

 

3.4.検索要件が緩和されます

経理データを電子化して保存するときは、検索機能を整備する必要がありました。

しかし、「電子帳簿保存法」の検索要件が微細で、経理担当者の管理業務が煩雑で大きな負担でした。

2022年1月の法改正で検索要件が緩和されます。

法改正前は、取引年月日・勘定科目・取引金額や帳簿の種類に応じた主要な項目を検索条件として設定できることが必須要件でした。

日付・金額の項目は範囲を指定して条件を設定することが義務化されています。

法改正後は、取引年月日・金額・取引先の項目での検索を簡素化します。

 

 

4.電子帳簿保存法の不正行為にかかる罰則

「電子帳簿保存法」の要件が大幅に緩和されることで、多くの企業・団体が電子データ化に移行されるようです。

その際に注意すべきことが、不正行為による罰則です。(虚偽の記帳をした場合は、100万円以下の過料が科せられます。)

導入要件が容易になる代わりに、不正抑止の担保処置で重加算税の加重措置が課されることになります。

経理の電子データに記録された事項に不正行為が発見されたときは、通常課される重加算税の額に10%が加重されます。

不正経理を防ぐため社内規定を遵守することが求められます。

 

 

5.適用時期

「改正電子帳簿保存法」の施行は2022年1月です。

経理の電子データ保存化の制度が大幅に緩和されます。

経理の電子データ化するには、今から準備する必要があります。

 

 

6.電子帳簿保存法改正を支援する開発パートナー選びのポイント

「電子帳簿保存」導入は、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。

大手電機メーカー、ITベンダー企業は基幹システムをする部門以外に「電子帳簿保存法」をサポートする担当エンジニアが常駐しています。

現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当や開発プロジェクトマネジャーに相談してみましょう。

大手電機メーカー、ITベンダー企業は「電子帳簿保存法」のサポート担当エンジニアをスタンバイさせています。

基幹システムとの連携を考慮すると、現行システムを導入した開発パートナーを選ぶようになるでしょう。

 

 

まとめ

経理業務の電子データ化により、ペーパーレス化による経費削減・生産性向上を図ることができます。

経理の電子データ化するには、今から準備する必要があります。

 

 

システム開発のITパートナー探しをされるのであれば

システム開発のITパートナー探しをされるのであれば「システム開発コンシェルジュ」で是非ご相談いただければと思います。

以下のフォームより開発でご相談いただきたい内容などご相談ください。

    関連記事一覧