
会計システムを導入支援する開発パートナー選びのポイント
「会計システム」という用語を聞いたことない方はいないと思います。
「会計システム」とは、企業・団体の経理・財務・会計業務をIT化したシステムのことです。
取引履歴のデータベースを作成して帳票類を作表します。
また、債権や借入金などのキャッシュフローを明確化するときに活用されるシステムです。
「会計システム」を導入することで、経理作業・管理会計計算・財務管理が効率化します。
従来は1年に1回の決算書・経営計画に使用するデータを作成するだけでした。
近年は四半期の決算書やB/S、P/Lを作成して公開することが求められるようになりました。
「会計システム」を導入しないと上記の決算書を容易に作成できません。
そのため、ほとんどの企業・団体が「会計システム」を導入しているようです。
これから「会計システム」とは何か?役割・主な機能、導入の効果を紹介していきます。
目次
1.会計システムとは何か?
「会計システム」とは、企業・団体の会計担当部門(経理部・管理部など)の業務をIT化・デジタル化することで、作業の効率化を図るシステムのことです。
「経理システム」「財務システム」等と称されることがあります。
「会計システム」は、企業・団体の会計処理のすべてをITシステムに記録・管理して伝票などを蓄積していきます。
この蓄積した情報を集計して総勘定元帳・貸借対照表・損益計算書・決算書等の、紙媒体で作成していた帳簿をデジタル化した帳票を作成する仕組みです。
2.会計システムの役割
「会計システム」には、「管理会計(Managerial accounting)」と「財務会計(Financial accounting)」の役割があります。
第1に「管理会計システム」は、債務の支払い・債権の入金等を管理して、キャッシュフロー(≒現金の流れを示します。)を把握するときに活用します。
キャッシュフローは、企業・団体内の実績管理・事業計画立案・予算管理をするための意思決定向けに活用します。
事業部、地域の支店や支社、お客先様情報の情報を蓄積して集計します。
集計したデータを分析・評価して経営者の意思決定に役立てるデジタルデータを出力します。
経営者の意思決定は、リアルタイムでのスピード感が重要な要素です。
昔のことわざで「時は金なり」があります。
現代社会も同様で、意思決定を最適なタイミングで行うために「管理会計システム」から素早く情報を得ることが大切です。
第2に「財務会計システム」は、日々の仕訳伝票の入力から決算書の作成まで作業をIT化・デジタル化します。
入力した仕訳伝票を蓄積して集計した財務諸表を作成します。
この財務諸表を基にして経営陣が財務状況を見極めます。
「財務会計システム」の情報は、会計監査・税務調査の基になる資料になります。
「財務会計システム」で扱う情報は、一定期間の業績として利害関係者(ステークホルダー)に公開します。
ステークホルダーは業績データを基にして、投資・融資を検討します。
「財務会計システム」がステークホルダー向けの情報公開向けの「会計システム」で、「管理会計システム」は企業・団体の経営層に向けた情報を取り扱います。
3.会計システムの主な機能
「会計システム」の主な機能を紹介します。
第1に「財務会計システム」があります。
「財務会計システム」は、財務に関わる伝票データをエントリーして、集計して書類を出力する業務です。
財務に関わる伝票データとは、日々の仕訳伝票をエントリーして、売掛金台帳・買掛金台帳・現金出納帳・預金出納帳に反映させます。
日々のエントリー結果を基にして月次決算・四半期決算・半期決算・年次決算資料を作成します。
決算資料とは、貸借対照表・損益計算書等を指します。
年次決算では、税務申告用の書類を作成します。
「財務会計システム」は日々の伝票データを集計して売掛金・買掛金・現金出納帳・決算書を作成する仕組みです。
第2に「管理会計システム」です。
「管理会計システム」は、「財務会計システム」の集計データを事業部別・部門別・カテゴリー別に多面的な観点で分析を行うための管理帳票を提供する仕組みです。
予算管理・プロジェクト管理帳票を経営層・部門責任者に向け、経営の意思決定をする資料を作成します。
日々の伝票データが原資になりますので、予実を詳細に分析・管理することができます。
的確なシミュレーションを実施して、揺るぎない意思決定をすることができるようになりました。
第3に「債務支払管理システム」です。
「債務支払管理システム」は、買掛金・未払金の債務情報と売掛金・入金の債権情報を集計する一元管理システムです。
債務残高管理と支払予定を把握し、債務の支払い処理と債権の入金確認を実行します。
「債務支払管理システム」は「財務会計システム」「管理会計システム」と連携して、総合的な「会計システム」を構築して、キャッシュフローを正確に把握することができる重要な仕組みです。
4.会計システム導入の目的と効果
「会計システム」導入の目的と効果を紹介します。
第1に経理業務の効率化です。
経理業務は、日々発生する取引の伝票起票とその伝票を「会計システム」へエントリーする作業が必要になります。
エントリー結果は、会計システムが、伝票を自動的に仕訳業務するので、手作業による伝票作業が効率化されます。
定期的に必ず発生する仕訳伝票(賃貸料・IT機器のリース料・営業車両のリース料など)を一括してエントリーすることが可能です。
また、販売管理サブシステムの売掛金・顧客情報を取引データとして取り込み自動仕訳することで、業務の省力化が可能になります。
第2に人為的ミスを軽減することができます。
仕訳伝票の起票ミスやオペレーションミスの不具合を軽減することにつながります。
仕訳伝票の重複計上、残高の不整合等の簡単な作業ミスを抑制します。
作業ミスが生じたとき、ミスの箇所をタイムリーに特定できます。
月末・期末の月次・年次業務・更新の作業負担が軽減します。
第3に税制改正に柔軟に対応できることです。
税率・税制の改正があるときは、法律に基づいたシステムの設定の変更、システム全体をアップデートすることで対応できます。
また、グローバルに事業展開をしている企業・団体は、国際会計基準に対応することが求められます。
日本国内で作成・提供する帳簿と異なる提出書類が必要になります。
「会計システム」を導入していると国際会計基準に準拠した資料作成が可能です。
ただし、「会計システム」によっては、オプション機能になることがあり得ます。
第4に電子帳簿保存が容易にできることです。
2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行されました。
電子帳票保存方法の要件緩和で、紙媒体から電子データで保存しておくこと容易になりました。
既に「会計システム」を導入しているケースでは、改正電帳法対応に改修費用を要せずに簡単に対応できます。
5.導入前に知っておくべき会計システムのリスク
「会計システム」の導入前に知っておくべきシステムのリスクを紹介します。
第1に会計データ改竄のリスクがあり得ます。
「会計システム」はエントリー伝票の修正・更新が容易にできる仕組みになっています。
紙媒体の会計帳法は不正な修正や改竄をすると証拠が残ります。
しかし、「会計システム」は不正な修正や改竄しても伝票データが更新されるだけで、最新化されてしまいます。
日次や月次の締め切り処理を実行後の修正は、不正や改竄を前提として、修正用のパスワードや2段階認証等を活用して修正権限・修正データの承認をする対策を施す必要があります。
第2に会計データの消失リスクがあり得ます。
上記同様に不正な修正・改竄のように電子データを容易にデリートすることができます。
電子データをデリートするときは、削除用のパスワードや2段階認証等を活用しましょう。
また、会計システムはバックアップ機能が実装されています。
バックアップディスク・外部メディア・バックアップサーバー機等にバックアップするように設定されているはずです。
不測事態が生じたときは、バックアップした時点のデータを復元することができます。
6.会計システムを導入支援する開発パートナー選びのポイント
「会計システム」導入は、企業・団体が導入している基幹システムの開発パートナーに相談してみることをお勧めします。
大手電機メーカー、ITベンダー企業は基幹システムをする部門以外に「会計システム」をサポートする担当エンジニアやFPの有資格者が常駐しています。
現行の基幹システムを導入した開発パートナーの営業担当や開発プロジェクトマネージャーに相談してみましょう。
大手電機メーカー、ITベンダー企業は「会計システム」のサポート担当エンジニアをスタンバイさせています。
基幹システムとの連携を考慮すると、現行システムを導入した開発パートナーを選ぶようになるでしょう。
まとめ
「会計システム」は税制改正・制度変更・国際会計基準への対応等の、法律・基準の改正によって影響を受けます。
「会計システム」を選定するときには、法律改正・制度変更やIT環境の変化に柔軟に対応できるシステムを選びましょう。
できれば、自動アップデートや簡単な操作で法改正内容が更新できるアプリケーションを選択して、業務の効率化を図りましょう。
システム開発のITパートナー探しをされるのであれば
システム開発のITパートナー探しをされるのであれば「システム開発コンシェルジュ」で是非ご相談いただければと思います。
以下のフォームより開発でご相談いただきたい内容などご相談ください。